神田川、早稲田という地名で知る
土地の高低差
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高田馬場駅近くを流れる神田川。水位が一定以上上昇すると警報がなるようになっている |
学生街としての顔以外で、この街で忘れてはならないのは元々は低地が多いということ。まずは神田川。神田川は吉祥寺にある井の頭池を源とし、途中善福寺川、妙正寺川を合流、水道橋駅付近で日本橋川などに分派しつつ、隅田川に注ぐ河川で、20数年前までは大雨が降るたびに氾濫することで有名でした。しかし、環七の地下を利用した調整池の設置などにより、現在は平穏な川に。ただし、現在進められている治水工事は1時間当たり50ミリの降水量を想定したもの。ここのところ、1時間に100ミリを越すゲリラ豪雨があることを考えると、さらなる対策も必要かもしれません。
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現在早稲田大学のある西早稲田は元々は戸塚という地名だったそうだ |
もうひとつは早稲田という地名。水田が低地にあったため、台風が来て洪水が起きる前に刈入る早稲を育てるしかなかったということを意味しているのです。また、江戸時代の早稲田は茗荷の名産地。茗荷は保水力のよく、水捌けのいい土地を好む植物ですから、どのような土地だったかはお分かりいただけるでしょう。実際、早稲田大学の前身東京専門学校時代の写真では、学校は水田の中にあるように見え、学生たちは雨の日には泥道に足を取られて通学が大変だったという主旨の添書があるほどです。
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早稲田通りから神田川に向う急坂。道も細くなっている |
低地があるということは高台もあるわけで、早稲田通りから神田川にかけては下り坂になっており、現在新宿区立の公園になっている甘泉園はその傾斜を生かしたもの。さらに早稲田通りの北側は通りよりも高くなっているところが多く、それほど長くはないものの急な坂もあります。長く住むことを考えるのであれば、場所によって異なる土地の高低は気にしておいたほうが良いポイントでしょう。
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緑濃い神田川沿いの並木。両岸に歩道が整備されている |
もちろん、デメリットばかりではありません。神田川沿い、特に高田1~3丁目にかけては両側に桜並木があり、春には花見客で賑わいます。花だけでなく新緑の時期の散策なども楽しいものです。
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金銀融通の他、虫封じの神様としても知られる穴八幡 |
散策という意味では意外に寺社仏閣なども点在。中でも冬至から節分までの間に金銀融通に特別なご利益のあるお札を授与することで有名な穴八幡や明治の元勲岩倉具視の屋敷を移築した建物がある玄国寺などが有名なところ。早稲田通りにある源兵衛稲荷も地元では願いが適うお地蔵さんと言われているそうです。
最後は気になる住宅のお値段です。