サンマルタンの定番、若鶏のロースト。サラダ、パンとセットで1050円。気軽な雰囲気のせいか、若い人が多い

日仏学院を初め、フランス人学校などが点在

黒板塀と石畳のしっとりした街並みに和服姿が似合う街、神楽坂。和のイメージが強い街だが、街を歩いてみるとフランス国旗がはためくレストランが目立ち、フランス語らしい言葉を聞くこともしばしば。実は神楽坂はフレンチタウンといっても過言ではないほど、フランス度の高い街なのだ。

その理由として挙げられるのは、神楽坂から飯田橋周辺にはフランス人が集まる学校などが点在しているということ。筆頭は1950年に設立された日仏学院。外堀通りから少し入った高台にある同学院は、日本でのフランス語教育のパイオニアでありフランス文化の発信地。映画の上映や展覧会、ワインセミナーといった各種イベントも行われており、敷地内にはカフェやレストラン、フランス書籍専門店などがある。テラス席もあるレストランには本物のギャルソンがいて、雰囲気はばっちり。平日のランチなら1000円からという手軽さも◎だ。

飯田橋駅を挟んで反対側にある在日フランス人学校、リセ・フランコ・ジャポネの存在も大きい。ここには幼稚園、初等部があり、子どもが小さいときは近所に住みたいという理由から周辺に住むフランス人家庭が多いというのだ。近くには暁星学園、白百合学園とフランス語教育に力を入れる私学もある。こうした集積から、都内に住むフランス国籍の人のうち約4分の1は神楽坂のある新宿区に居住しているのである。

神楽坂でフランス各地の味を

そのため、神楽坂ではフランス各地の味が楽しめる。例えば、界隈で一番行列ができているのは、毘沙門天向かいの路地にあるル・ブルターニュ。ここはブルターニュ地方特産のそば粉で作ったガレットと呼ぶクレープを初めて日本に紹介した店。りんごから作った発泡酒シードルといただくランチは1480円から。向かいには古民家の居酒屋として有名な伊勢藤があり、この和洋入り混じった風景を楽しめるのも、この店を訪れる楽しみのひとつだ。

食の都と言われるリヨンの料理を出すのが、ルグドゥノム ブション リヨネ。和風の店の多い本多横丁でヨーロッパなオーラを出しまくっている店で、フランス映画の世界に入り込めること請け合い。ただし、平日でもランチは1850円からとややお高め。リヨンの名物料理といえば内臓料理にソーセージ、日本で言うところのはんぺんのような魚のすり身クネルなどだそうで、そうした料理も楽しめる。

かと思えば、黒板塀の料亭を改装した建物でお箸でフレンチという店も。それがレストランかみくら。テレビドラマの舞台にもなった路地にあり、ランチは予約制だが個室を利用できるので決めのデートなど特別な日にはお勧めだ。

個人的にお気に入りは本多横丁と軽子坂の角にあるサンマルタン。軽子坂にある老舗サンファソンが出したカジュアルな店で、ランチに付け合わされてくる大量(しかも熱々!)のフレンチフライがいかにもパリの街角の食堂な感じ。ちなみに高級店になると、いかにランチといえどもフレンチフライが付け合せで出ることはほぼない。

このほか、都営大江戸線牛込神楽坂駅近くにあるビストロ・ル・ミディ、大久保通りの神楽坂側にあるル・マンジュ・トゥ、レストラン ラ・ビチュード、牛込柳町駅近くのル・デッサン……と挙げるときりがないほど。気軽に利用できる店も多いので、散策プラスグルメで一味違う神楽坂を満喫してみてはいかが。

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