小麦粉を自在にあやつるウイグル料理

インド、パキスタン、アフガニスタン、ロシア、モンゴルなど、多くの国と国境を接する中華人民共和国の西端「新疆ウイグル自治区」。
シルクロードの交易地として栄えたこの地は、東西文化とイスラーム文化などの影響を受け、多彩な食文化が華開いた地域のひとつ。あるひとつの料理に着目し、近接国とのつながりや違いなどを辿っていくと、思いのほか、面白い発見が得られ、ウイグルという地域がぐっと身近に感じられることでしょう。

ウイグルの料理といったら、やっぱり麺料理。米料理は若干あるけれど、一般的には小麦が主要な食物。麺料理はウイグルのお得意技です。麺には日本の一般的なうどんのような形から、薄く小さな四角い形をしたもの、きしめんのようなもの、小さなニョッキのような形をしたものなど、種類が豊富。さまざまな食感が愉しめるのも魅力です。

麺は、注文をうけてから生地をのばし、茹であげるのがウイグル流。あらゆる面において、簡便化され、スピーディーさを求める傾向が強い日本の食生活に身をゆだねていると、こんなふうに人の手をかけて、時間をかけて、丁寧に作られるウイグル料理のおいしさに、ある種の喜びをしみじみと感じてしまいます。
麺は力強い食感となめらかさ、小麦の甘さなどが折り重なる素朴なおいしさ。のど越しを求める日本人には、ウイグルの麺料理はきっと肌に合うと思います。それに、麺を打つ姿を眺めながらの食事は、美味しさがいっそう増して、楽しめると思いますよ。

ただひとつ。ウイグルはイスラーム文化圏ですので、豚肉は食さず。大半が羊肉で、あとは鶏肉か牛肉です。羊肉がニガテなかたはあまり楽しめないかもしれませんが、ぜひお試しいただきたい食文化圏のひとつ。東京近郊には、まだまだウイグル料理店が少ないということもあり、ここでは現在私が知りうる全店をご紹介します。お店によって味に違いがありますので、ぜひお好みのお店を探してみてください。

なお、順番はランキングではありません。加えて、これはあくまでも私見です。そのときに一緒に訪れた人や席を隣り合わせたかた、食べた料理、店の対応、お店によっては料理人が数人いることもありますので、どの料理人が作ったか、などによって感じ方は変わってくると思います。認知度はまださほど高くないウイグル料理ですが、皆さまがこれを機に、ウイグル料理にさらに興味をもっていただけたら幸いです。

※これは2010年9月現時点での捉え方です。各国料理店では、さまざまな事情で料理人がかわることがよくあります。となると、味も変わるのが常。場合によっては、記事を加筆したり消去することがありますので、ご了承ください。