日本の住宅は、欧米諸国に比べて比較的短いスパンで建築・取り壊しを繰り返しています。でも、人口の減少や今後の高齢化社会を見据えると、大切な資産や資源を無駄にしてはいけません。
そこで、これから取り組んでいこうとしているのが「長期優良住宅」です。

長期優良住宅とは?

住宅は人が生活をする上で大切な基盤となる箱です。それを一世代だけで建てたり壊したりしていくより、耐久性・耐震性・省エネ性に優れ、数世代にわたって暮らせる住宅が長期優良住宅です。長くよりよい暮らしを維持するために、配管の維持管理や間取りの変更などが簡単にできるよう、一定の認定基準を設け、これをクリアした住宅を「長期優良住宅」とし、税制面などで優遇されるメリットがあります。
「200年先まで暮らせる住宅」――これが、目指すものなのです。

日本では賃貸住宅で暮らす人も大勢います。一般の住宅と同じように、賃貸住宅もよりよく長く使えるものにすることによって、そこで暮らす人もそしてオーナーにもメリットがあり、豊かな社会を創るために、賃貸業界でも長期優良住宅に関する様々な取り組みがされ始めました。

その一つが「いえかるて」です。

「いえかるて」とは?

既存の住宅を売買する場合、その家の以前はどうだったのか、新築のときはどうなっていたのかなど、家が誕生してからこれまでの履歴が分からないことも少なくありません。そのため、リフォームやメンテナンスをしようと思っても、どんな施工がなされていたのかの情報が得にくいのが現状です。

そこで、家に関する情報、すなわち「住宅履歴情報」を残していこうとする考え方が提唱されています。
住宅履歴情報とは、住宅の設計、施工、維持管理、権利、資産などに関する情報で、誰がいつどのような新築施工やリフォームを行ったのかを記録していくもの。「いえかるて」という愛称で呼ばれます。

◎入居者のメリットは?

この「いえかるて」が充実してくれば、賃貸住宅の竣工当時の詳細な設計図や設備が見られるようになります。賃貸住宅ではこれまで分かりづらかった、施工の様子(壁の厚さや床の厚さなど)も知ることができたり、どんなメーカーのどのタイプの設備が付いているのかも分かるようになります。
また、いつどの部分をリフォームやメンテナンスしたか分かったり、さらには耐震性・耐久性などの情報も得られるようになってきます。


入居者にとって快適な住宅を供給してもらうためには、物件のオーナーが自分自身の物件の資産価値を落とさず、管理維持していくことが大切。そのためにも、住宅履歴情報があれば、いつ・どの段階でどのようなメンテナンス・リフォームをしていけばいいのか、オーナー自身が管理しやすくなります。この履歴が受け継がれていけばオーナーが次の世代になっても、良質な住宅は保たれていくことになるでしょう。

住宅履歴情報および「いえかるて」の活用はまだ準備段階。今後、動きがあればまたご報告します。


【関連サイト】
住宅履歴情報整備検討委員会
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