長期優良住宅/長く暮らせる家

長く暮らせる家の条件 -耐久・耐震性-(2ページ目)

家を建てるなら長く暮らせる家を建てるべきだと、私は思います。では、なぜ、長く暮らせる家を建てたほうがいいのでしょうか。また、長く暮らせる家とはどんな家でしょうか。今回は、構造に関係のある性能の面から長く暮らせる家に必要な条件を考えていきます。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

少なくとも等級2以上の耐震性を

長く暮らすには、大きな地震が発生しても支障をきたさないだけの耐震性を備えていなければなりません。具体的には、住宅性能表示制度の「構造の安定に関すること」項目で、等級2以上がひとつの目安になるでしょうか。

基礎

住宅性能表示制度は耐震性など、住宅を評価するひとつの目安になります

住宅性能表示制度の耐震等級は1~3まであり、最も高いのは等級3です。等級1は建築基準法のレベルで、すべての住宅はクリアしなければならない基準。長期優良住宅の認定基準は等級2以上ですが、住宅メーカーが建てる家は標準仕様で等級3をクリアするものもあります。そう考えると、少なくとも等級2以上、可能なら等級3を目指したいところです。

数十年に一度程度発生する地震(震度5強)に耐え、数百年に一度程度発生する地震(震度6強~7)にあっても倒壊・崩壊しない程度の構造躯体の強さがあれば、地震を乗り越え、住み継ぐことができそうな気がします。

環境面、コスト面からもメリット大

手を入れればまだ暮らすことのできる家を解体してしまうことは、経済的な損失であるばかりでなく、環境の面からみても問題があります。地球環境の観点からみても、これからは早期の解体によって建築廃材を大量に出すのではなく、限られた資源を最大限活用し、家も長く使うことを前提にして建てることが求められると思います。

また、耐久性のある家を建てれば、何度も家を建てる必要がなくなり、結果的に一生の間で家にかけるコストを抑制できます。その分、リフォームで設備機器を新しくしたり、家具にお金をかけることもできるはず。そのほか、レジャーに出掛けたり、別荘を購入するなど生活の質を上げることにお金を使うこともできるでしょう。

このように、最初に建築するときに、耐久・耐震性を備えた長く暮らせる家を建てることが、その後の人生を豊かさにつながるともいえるのです。
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