長期優良住宅/長く暮らせる家

長く暮らせる家の条件 -耐久・耐震性-

家を建てるなら長く暮らせる家を建てるべきだと、私は思います。では、なぜ、長く暮らせる家を建てたほうがいいのでしょうか。また、長く暮らせる家とはどんな家でしょうか。今回は、構造に関係のある性能の面から長く暮らせる家に必要な条件を考えていきます。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

住宅ローンが終わっても暮らせる家

長く暮らせる家なら基本性能を備えていなければなりませんが、何よりもまず、長持ちしなければなりません。

外観

家を建てるときは性能面にこだわって長く暮らせる家を建てたいものです

多くの人が30歳代で家を建てます。30年、35年という長い住宅ローンを組むとすると、支払いが終わるのは、早くても60歳代。日本の住宅は短命だと言われていますが、この時点でわが家の寿命が尽きてしまうなんてことは、誰もが考えたくないことですね。

建てた人が、生涯問題なく暮らせる程度の耐久性はもちろんのこと、できれば、子や孫など次世代に引き継げるくらい長持ちする家が理想です。

住宅性能表示制度の劣化対策等級では、3世代に住み継げる家は75~90年の耐久性がある家とし、最高等級3としています。長期優良住宅の認定基準も等級3です。ひとつ下の等級2は、おおむね50~60年で2世代に住み継げる家が目安。老後も問題なく暮らせる耐久性を求めるなら、この等級2がクリアしたい基準の下限だといえるのではないでしょうか。

建築後のメンテナンスも考えて

住宅は、建設後も定期的に適切なメンテナンスが必要ですが、メンテナンスをするには費用がかかります。ですから、できるだけメンテナンスがラクであることが必須条件です。耐久性の高い部材を採用したり、費用を抑えられるような構造・仕様にして、メンテナンス費用や回数を最小限にする工夫が必要です。

また、親世代から家を引き継ぎ、建設費を負担しないですむ世代なら、後にかかるメンテナンス費用を捻出しやすくなります。最初に長持ちする住宅を建て、メンテナンスのラクな家を建てたほうが、その後の維持管理もきちんと行われる可能性があるということです。

次ページでは、もうひとつどうしても必要な耐震性について説明しましょう。

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