「えっ、建設資金ががなくても、マンション経営ができるって本当?」
「はい、等価交換方式を利用すれば可能です」

これは、倉庫用地を所有している、ある中小企業のA社長に対してデベロッパーの営業マンが提案営業をしている現場の会話である。

この社長は、長引く不況で、以前使用していた倉庫の借りてもなくなり土地活用法に困っていた。

マンション経営であれば、比較的、安定的な収益が見込めることはわかるが、一寸先が闇であるこの時代に、新たな借金を抱えることには非常に慎重になっていた。

その矢先に、あるデベロッパーの営業マンにまったく資金の要らない「等価交換方式」を提案されたというわけである。

今回は、この例をもとに等価交換の基礎知識について解説していくことにしよう。

倉庫用地を等価交換で有効活用


A社長は400坪敷地で貸し倉庫を営んでいる。昨今の不況により、倉庫の借り手がいなくなってしまった。

賃貸住宅需要はあるとはわかっていても、多額の借金を抱えて賃貸マンションを行うリスクを懸念していた。

そこで、知り合いを通じて知ったデベロッパーが等価交換方式を提案してきたというわけである。

等価交換方式を簡単に説明しよう。

等価交換方式とは、まず、土地所有者の土地の(所有権・借地権)一部をデベロッパーに提供する。
その土地にデベロッパーがマンションを建設し、建ち上がった建物の一部を区分所有として元の土地所有者が取得する方式のことをいう。

たとえば、A社の土地の評価額が坪100万円だとすると、土地の値段は・・・

100万円×400坪=4億円 となる。

A社はまず4億円相当額の土地をデベロッパーBに提供する。
一方、デベロッパーBはその土地に6億円の建物を建設するとしよう。

この場合、土地は4億円、建物は6億円なので合計額10億円の事業になる。

A社、B社それぞれ、

・土地所有者A社・・・・4億円相当の土地を提供
・デベロッパーB社・・・6億円相当の建物を提供

しているので、その交換割合は、

A社所有部分 4 : B社所有部分 6

となる。
実際の等価交換の作業としては、

1、土地所有者AがデベロッパーB社に土地を4億円で売却する。
2、デベロッパーBが、6億円のマンションを建築する。
3、デベロッパーBが、A社の持分である4億円分に相当するマンションを区分所有(土地共有持分を含む)として、A社に売却する。


等価交換のメリット・デメリット


等価交換をする上での土地所有者A社のメリットは・・・

1、建設資金がタダである。
2、建物完成後賃貸部分を取得するため家賃収入が入る。
3、眠っていた土地を活用できる。

デメリットとしては・・・

1、自分の土地の一部がなくなる。(区分所有としての所有となる)
2、デベロッパーは基本的に販売目的であるため販売管理費や利益等を含めて建物を提供するため、土地の評価が低くなりがちである。

等価交換を行っているデベロッパーはインターネットで「等価交換」と検索すれば知らべることが可能だ。

土地活用の方法として、等価交換方式も選択肢の1つとして研究してみてはいかがだろうか?
         
        
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