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あなたの家賃は、誰が決める? 提示されている家賃の裏側とは!

家賃設定は、非常に重要です。なぜなら、家賃設定を間違えると空室期間が長くなり、収益が悪化する危険があるからです。

浦田 健

執筆者:浦田 健

アパート・マンション経営ガイド

家賃は誰が決めている?


唐突ですが、質問です。アパート・マンションの家賃設定は、どのように決められているかご存知ですか?
これからアパート・マンションを建築する方は、その計画に対して、銀行・設計事務所・建築会社・不動産会社等から家賃の査定を受けていると思います。

この家賃設定は、非常に重要です。なぜなら、家賃設定を間違えると空室期間が長くなり、収益が悪化する危険があるからです。
そこで、今回は業者側が査定する家賃設定の裏側についてお伝えしたいと思います。

適正家賃を知る重要性


業者側が当初より査定をした家賃で募集を行い、その結果、建物完成時までに全室決まれば、良い企画といえます。
しかし、その家賃が、業者側の利益のためだけに、決められていたらどうでしょうか?

私がよく耳にするケースで、次のようなことがありました。
当初提示を受けた家賃で募集をしていたが、なかなか成約に至らず、業者側も痺れを切らし、

『今年は、動きが悪いので家賃を下げましょう。』

といった提示を受け、泣く泣く大家さんが募集家賃を下げたという事実です。
この事例は、業者側だけが悪いということではありません。
大家さん自らもエリアの相場を理解せずに、業者から提示される、いい話だけを鵜呑みにしてしまった結果だとも言えます。

提示をしている側の裏側とは?


建物計画時にハウスメーカー営業マンと不動産会社とのやり取りでは、大家さんへの提案をする以前に以下のようなやり取りがあります。

ある、ハウスメーカー営業マンと管理会社営業マンとのやり取り

「今度、浦安の駅から5分のところでアパート建築計画があるけど査定する?」
(ハウスメーカー営業マン:以下ハ)

「はい、是非御願いします。浦安から駅5分ならいい金額を提示できます。」
(管理会社営業マン:以下管)

「但し、競争だよ!今まで2社から査定取ったけど、一番いいところに大家さんを紹介するから。」(ハ)

「ちなみに、他社は1部屋いくらで出てるのですか?」(管)

「60,000円だから、それより高ければ、いいよ」(ハ)

「判りました。社に持ち帰って明日出します。」(管)

これは、ごく一般的なやり取りです。
ちなみに、この管理会社営業マンの場合、他社よりも1部屋あたり、1000円以上高く、金額を提示することでしょう。
なぜなら、60,000円より高く提示しなければ、管理物件を取得するための土俵にも上げてもらえないからです。

管理会社は、管理物件取得するために、当初の募集家賃を高く査定します。なぜなら、家賃保証をしている訳ではなく、あくまでも募集・管理だけなのでリスクが無いからです。
極端なことを言えば、業者側は、後々成約が悪ければ、家賃減額の交渉も視野に入れ、家賃査定をすることも珍しくないのです。

冒頭でも解説しましたが、提示を受けた金額で満室になれば、いい企画だと思います。
しかし、大家さん自身が、相場を把握せずに計画を進めてしまい、満室にすることが出来ないと悲惨です。当初の提示金額から家賃を下げて募集を行い、更に契約条件なども下げなければなりません。すると、当初予定していた手取り家賃は当然減り、収益が悪くなってしまいます。

このようなことが、起きないようにするためには、大家さん自らが周辺の適正家賃を把握しておく必要があるのです。

さて次回は、大家さんが適正家賃を知る方法についてお伝えしましょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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