融資交渉には最低限2つのポイントを押さえないといけません! |
できるだけ有利な条件で融資を受ける方法とは?
アパート・マンション事業の成功の秘訣は、常に満室経営を維持できるものを企画できるかどうかにかかっています。
しかし、どんなに優れた企画であっても資金を調達できて初めて、事業が実現します。
自己資金が沢山ある人は別ですが、銀行からお金を引っ張りだせなければ、企画は「絵に描いた餅」になってしまいます。
それでは、融資さえ引っ張りだせれば、それでOKか、というとそうではありません。
できる限り低利で融資を引っ張ってくることが大切になります。
なぜなら、金利差が1%もあれば、キャッシュフローに大変重大な影響を及ぼすからなのです。
それでは、できるだけ有利な条件で融資を引き出すためにはどうしたら良いのでしょうか?
そこで、今回は、
「お願いです!是非融資させてください!」
と銀行が頭を下げるほど、大家さんが有利に融資交渉をすすめるためのノウハウをお伝えしたいと思います。
融資交渉に絶対に必要な2つのポイントとは?
まず、融資交渉にあたっては、次の2つのポイントを押させておかなければなりません。
その2つのポイントとは、
1、銀行は担保以上の融資はしてくれない!
2、たとえ担保が足りていても、一定の収益が見込めないと融資してくれない!
というものです。
この2つのポイントを理解することなく銀行と交渉しても、金利交渉はおろか、融資を受けることすらできません。
しかし、逆にこのポイントを押さえてしまえば、銀行にとって絶対に「融資したい」案件になるのです。
銀行は担保以上の融資はしてくれない!
基本的に銀行は、土地と建物の担保価値以上の融資はしてくれません。
まず、担保が充足すること。これが第一の条件です。
経験上、土地、建物の担保価値は、
土地の担保価値=路線価×土地面積(平方メートル)×80%
建物の担保価値=建物の建築費×70%
で評価されます。
(路線価とは、土地を評価するために国税庁が取り決めた、主要道路に面した土地に対する評価価格のことです。)
例えば100平方メートルの土地に7,000万円でアパートを建築するとします。
仮に路線価が20万円であったとすると、土地・建物の担保価値は、
土地の担保価値=20万円×100×80%=1,600万円
建物の担保価値=7,000万円×70%=4,900万円
となり、合計で、土地・建物全体の担保価値は6,500万円となります。
つまり、この事業の融資額の上限は6,500万円になるわけです。
このケースでは建築費が7,000万円ですから、500万円の担保が不足していることになります。
この場合、担保不足分を自己資金で補うか、別の不動産を追加で担保提供する必要があります。
もちろん、銀行によっては担保以上の融資をする場合もありますが、担保不足のリスクは金利に上乗せされると考えておいた方がいいでしょう。
担保が足りていても収益が見込めないと融資してくれない!
第二の条件は、収益性が銀行の融資基準に達しているかどうか、です。
それでは、銀行は何を基準にして事業の収益性を判断しているのでしょうか。
それは、
「入居率が80%、金利が6%になった場合で、キャッシュフローが1円でもプラスになるかどうか」
で判断するのです。
銀行は満室の状態で収支をみるのではなく、最悪の状況になっても事業が安全なものかどうかを検討するのです。
なぜ、金利を6%で見るのかについては、1990年前後のバブル期の金利が基準になっています。
6%というのは、バブル期の変動金利を平均したものを少し下回る数字です。
ですので、またバブルのような異常な好景気はありえないと考えれば、6%という金利で回る事業ならば収益性に問題はないと銀行側は判断しているわけです。
ただし、金利の設定は常に6%というわけではなく、銀行によっては金利を4%で判断しているケースもあります。
条件をそろえて、粘りづよく交渉しよう!
このように、担保価値があり、収益性のとれる企画であれば、はじめてお付き合いをする銀行であっても、金利交渉を有利にすすめることができるでしょう。
たとえ1つの銀行にいい返事をもらえなくても、自信をもって次の銀行に話を持ちこんでみてください。
必ず、良い条件で融資をしてくれる銀行は見つかるはずです。
条件をそろえて、粘り強く交渉する!
そうすることで、あなたのアパート経営はより安定したものになるのです。