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アパ・マン企画者が陥る落とし穴とは?

以前、建築基準法改正について記事を掲載しましたが、実は、「確認申請に関する補正慣行の廃止」に関連してアパ・マン企画者が留意しなくてはならない「落とし穴」が潜んでいるのです。

浦田 健

執筆者:浦田 健

アパート・マンション経営ガイド

余裕を持った工程を組み立てましょう

こんにちは。8月に入り、夏真っ盛りですが、いかがお過ごしでしたか。
これだけ暑くなると、海に行くのが楽しみですね。

さて、先月、建築基準法の改正内容についてお伝えしましたが、実はあの後、読者の方から、いくつかご質問をいただきました。

そこで、今回は法改正の解説を補足しながら、アパ・マン企画者が陥る、思わぬ「落とし穴」について解説します。

構造審査(ピアチェック)が義務付けられる建物とは?


「法改正で義務付けられる構造審査(ピアチェック)って、木造2階建の戸建の場合でも影響あるんですか?」

寄せられた質問で多かったのは、「自分が計画している建物でピアチェックが必要なのか」というものです。結論から言うと、このピアチェックは、一定の基準に該当する建物でない限り必要はありません。

一定の基準とは、たとえば、
● 木造であれば、「高さ13M超又は軒の高さ9M超」
● 鉄筋コンクリート造であれば「高さ20M超」等。
(このほかの細かい基準については、建築基準法の条文をご参照ください。)

ですから、一般的な木造2階建の戸建であれば、上記の条件に該当しない限り、構造審査の必要はないでしょう。

ただし、法改正に伴って確認申請の審査が厳しくなることは事実です。従来と比較して申請が下りるまで、少々時間がかかる可能性もありますので、着工時期を設定したら、早め早めに確認申請を提出することをお勧めします。

さて、ここで少しだけ先月のおさらいをします。これからアパ・マン建築を計画している人が留意すべき改正内容は、以下3点でしたね。

(1)「構造計算適合性判定制度の導入」
 一定の基準に該当する建築物については、確認申請に構造審査(ピアチェック)が義務付けられるため、法改正前より時間と費用が余計にかかる。
(2)「確認申請に関する補正慣行の廃止」
 確認申請の補正が許されず、再申請の形を取るため、時間と費用が余計にかかる可能性がある。
(3)「着工後の計画変更の申請」
 変更が生じた都度、工事を一旦止めて計画変更申請を出さねばならず、作業工程に大幅な遅れが生じてしまう可能性がある。

いずれも、深刻な問題ですが、とりわけ注意が必要なのが上記(2)「確認申請に関する補正慣行の廃止」です。実は、この点にアパ・マン企画者が留意しなくてはならない「落とし穴」が潜んでいるのです。それでは、次ページでこの「落とし穴」について解説します。
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