アパートマンション経営/収益をアップする貸し方・テクニック

キャッシュフローを2%改善する裏ワザ

今回の内容はアパ・マンのオーナーであれば【死活問題】になるような大事なことです。一つ間違えば、あなたの手元に残るキャッシュフローが年間2~3%も違ってしまうのです。

浦田 健

執筆者:浦田 健

アパート・マンション経営ガイド

CFを多く残す戦略的税金対策とは

キャッシュフローを2%あげる戦略的節税対策


先月、東京の両国で200名規模のセミナーを開催しました。今回のテーマは「高齢化社会を見据えた空室対策」。皆さん、気になるテーマだったようで、多くの方がご参加され、熱心に講演を聞いていらっしゃいました。

さてセミナーの後、予約制の「無料相談会」を開催したのですが、あるオーナーさんから節税に関するご相談がありました。聞くところによると、中古マンションの税務処理について、顧問の税理士と意見が合わないようなのです。

実は、この相談内容、これから中古物件を購入する方には、かなり大事な内容です。というのも、一つ間違えば、あなたの手元に残るキャッシュフローが年間2~3%も違ってしまうのです。

そこで、今回は、中古物件購入時に「キャッシュフローを最大化する節税方法」をお伝えしたいと思います。

減価償却をめぐるキャッシュフロー改善法


先ほどのオーナーさんから寄せられた、無料相談会の相談内容です。

「今年の6月をメドに、約30戸程度の中古RCマンションを購入しようと思っています。」

「自分なりに、色々と節税対策の研究も重ねて、最大限の節税を心がけようと思っているのですが、今回の物件の節税をめぐって、顧問税理士と意見が合わないのです。」

「具体的に言うと【減価償却】のやり方です。私としては、減価償却費を多くするため、今回の中古物件の建物比率を多くしたいと思っています。」

「ところが、税理士曰く「それは危険です」とのこと。」

「しかし、知り合いのアパ・マンオーナーに聞くと、私が考えたように、きっちり減価償却してかなりの節税を実現した人もいるようなのです。」

「にもかかわらず、その税理士は「税務署が認めません」「調査が入ります」など、とにかく私の言うことに反対するばかりです。」

「建物比率を多くして減価償却するのは、この税理士の言うように、本当に危険な方法なのでしょうか。減価償却のやり方について、実例等があったら教えていただけないでしょうか。」


この手のお話は、なかなか微妙なところなので、慎重にお答えしましたが、先ほど申し上げたとおり、正直のところ、この内容はアパ・マンのオーナーであれば文字通り【死活問題】になるような大事なことです。

ポイントは、節税に関する知識があるかどうか。

極端な話ですが、この知識があれば税金を課せられる申告所得が【1/10】になることもあります。(もちろん、あなたのポケットに入る手取り額は変わりません)


同じ物件を買った場合でも、10年間の申告所得累計が「5000万円」のケースが、ちょっと工夫を施すだけで、わずか「500万円」の申告所得になってしまうのです。

→税金がほとんどかからないので、キャッシュは存分に残ります。
ウソみたいな話ですが、実話です。

他の所得の状況にもよりますが、これだけでおそらく、数百万から数千万の節税効果が見込まれます。

キャッシュをまるごと財布に残す方法?


今回の目標は、ズバリ家賃収入として入ったキャッシュを「まるまる財布に残すこと」つまり「いかに支払う税金を少なくするか」です。

いくつか方法はあるのですが、
一番即効性のある、しかも効果の高い方法ををお伝えします。

結論から言うと、購入物件の売買代金総額のうち「建物代金」の割合を高く設定してください。とても単純ですが、効果は絶大です。(上記のオーナーさんが主張したとおりです)

というのも、建物比率を高くできれば、以下2点のメリットを受けられます。

(1)減価償却費が多くなる→支払う税金が少なくて済む
(2)仮払消費税が多くなる→消費税還付で戻ってくる金額が多くなる

それこそ、これを実践するだけで、年間プラス2~3%のキャッシュが手元に残る可能性があります。

建物比率を高くする方法


この場合、大事なポイントは、売買契約書の「売買代金」の記載です。

「土地代金」と「建物代金」がキチンと分けられているでしょうか。

ひょっとすると、「土地建物」一式の価格が書かれているかも知れません。

例えば、以下のようなケース
*********************************************
【契約書記載内容】

売買代金総額 金100,000,000円
 うち土地代金 (   空白    )円
 うち建物代金 (   空白    )円
 (消費税額) (   空白    )円

*********************************************

このような場合、土地と建物の比率を申告時に買主のほうで決めなくてはなりません。仮に固定資産税評価額で土地建物の価額を按分すると、中古物件の場合、建物の比率が驚くほど低くなってしまいます。

しかし、契約書に土地と建物の代金が別々に記載されていれば、申告時には、その売買代金が根拠として最優先されます。

ですから、契約書記載の建物代金が高くなれば、それだけ節税効果が高くなるのです。

これから中古物件を購入する方は、必ず契約書に建物と土地の価格を分けて記載し、可能な範囲で建物価額が高くなるように設定して下さい。

繰り返しになりますが、この点を意識するだけで、手元に残るキャッシュが、年間で数百万円もアップする可能性だってあります。(※他の所得状況にもよりますが)

もし収支ソフトなどをお持ちであれば、是非シミュレーションしてみて下さい。いずれにせよ、10年も経てば、節税効果の差が明らかに出てきますよ。

きっと、これから中古物件を買う方の参考になると思いますので、是非一度試してみてください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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