通帳で収支を管理するメリットとは? |
「アパートを購入することになりました。確定申告などもしたことがないので、税理士にお願いした方がよいでしょうか?」
これははじめて不動産投資をされる方からご相談されることが多い質問事項の一つです。
でも、たとえアパート経営がはじめてだからといって、いきなり税理士に確定申告などの財務を任せてしまう必要はありません。
それはなぜか?
実はアパート経営に関する数字は銀行通帳を使えばほぼ完璧に把握できてしまうからなのです。もちろん、確定申告にもこの通帳が大活躍します。
そこで今回は通帳で収支を管理するメリットについて解説させていただきます。
メリットその1 入金日や家賃の額、滞納が明確に把握できる!
まず通帳を使うメリットは、入居者からの家賃管理が容易になるということです。
「入居者の○○さんから○月○日に入金があった。この人は毎月きっちり入金してくれるな。でも、○○さんは毎月決まって滞納してくるな・・・。」
というように入金日まではっきり記載されるので、入居者の性格や滞納パターンまで把握できます。毎月月末に記帳するようにすれば、即座に滞納者が分るので、その日のうちに滞納督促にとりかかることも可能です。
このような記録をノートにつけたり、エクセルなどの表計算ソフトで管理する、というのも一つの方法だと思います。でも、ノートに記入するのも、パソコンにデータを入力するのもちょっとした手間がかかってしまいます。中には面倒くさくなって、1、2ヶ月で記録するのをやめてしまった、という方も多いのではないでしょうか。
通帳で家賃を管理すれば、やるべきことは毎月決まった日に記帳することだけです。記帳された入居者の名前の横などに○○月分、と赤字で記入していけば立派な家賃明細書が完成します。
注意点は、家賃入金のある口座は完全にアパート専用の口座にすることです。生活費がでていくような口座では他の経費と混じってしまってアパート経営に関する支出を正確に把握できなくなります。
物件毎に銀行口座を開設し、物件毎の収支を通帳で管理されている大家さんもいるほどです。
メリットその2 確定申告の準備ができる!
毎年3月には前年度分の売上・経費をまとめ、確定申告しなければなりません。このうち売上は入居者からの家賃・礼金など、経費は物件購入にかかった費用や税金などがあてはまります。
この経費ですが、できる限りこの銀行口座から支払うようにすれば、通帳に支払い履歴が残るので確定申告時に便利です。支払いと同時に経費の記録ができるわけです。
家賃や経費などが記帳されていれば、申告書に転記するだけでほぼ確定申告が終わってしまうことでしょう。これを確定申告直前にしようとすると、大変です。記録が雑になってしまい、正確な申告を行なうことがまずできないでしょう。
毎月定期的に記帳を行ない、常日頃から確定申告の準備を行なうのが賢いやり方です。
通帳はアパート経営の成績表
不動産投資で重要なのは、「あなたのポケットにどれだけの家賃収入が入ってきて、様々な経費を支払った後、どれだけの現金が残るか」です。通帳に印字されている数字がこれをズバリ表します。
家賃や経費を通帳で管理できるようになれば、アパート経営に関する数字を簡単に把握できるようになります。通帳に記載されたデータをもとに、
「次はこの経費を節約してみよう!」
とか、
「毎月これぐらいキャッシュが残せれば、次の物件を購入するための頭金が年末までに貯まるな。」
といった戦略や改善点を出していくのです。預金通帳をフル活用し、物件管理に役立てましょう!