大家業の基本原則に戻ってみよう!

前回の記事では家賃回収方法のうち、集金・銀行振込・自動送金という3つの方法を解説させていただきました。これは個人でできる方法で、それぞれにメリット・デメリットがあるのでしたね。

今回は口座引落・集金代行会社の利用についてお伝えしたいと思います。この2つは仲介会社・管理会社を通して間接的に利用することが可能なサービスになります。

これらの回収方法を取り入れる場合、メリットだけでなく、必ずデメリットもおさえておくようにしましょう。

口座引落


入居者の口座から毎月一定の期日に家賃を引き落とす方法です。個人では導入できないので、不動産管理会社を通して利用することになります。金融機関の口座引落が一般的です。

手続きはいたって簡単。銀行所定の口座引落用紙に入居者に記入してもらうだけです。手続きが完了するまで約2ヶ月かかりますが、入居者の口座から自動的に家賃が引き落とされるので安心です。

ただし、もし銀行残高に不足があった場合には、当然のことながら引き落とすことができません。この場合銀行からは「引落ができませんでした」という通知がきますが、入金督促などは管理会社もしくはあなたが行うことになります。

入居者の残高不足を未然に防ぐには、あくまで「生活口座」を登録してもらうことが一番です。生活口座とは、毎月のお給料や仕送りなど生活費が入金されてくる口座のことです。複数の口座を持っている入居者もいますが、この口座には他の口座よりは多くお金が入っていることがほとんどです。

「引落口座は必ず入居者さんの生活口座にしてくださいね。」と一言伝えることが大切です。

滞納保証会社の利用


家賃回収方法の最後は、滞納保証会社(収納代行つき)を利用する方法です。こちらも不動産管理会社を利用してのサービスになります。今回リプラスの破産で大きな被害を受けたのは、リプラスに滞納保証とセットになった家賃収納代行を利用していた管理会社・オーナーでした。

家賃収納代行というのは、滞納があろうがなかろうが、毎月満額の家賃を送金してくれる、というサービスでした。管理会社・オーナーは、滞納があっても満額の家賃を送金してくれるので、滞納督促を行う手間が省けます。

これをうたい文句にして、リプラスをはじめとする各滞納保証会社は滞納保証・収納代行件数を広めていったのでした。

しかし、よく考えてみると分かるのですが、これは、当該サービスを利用する滞納保証会社が健全であれば成り立つ話です。もし保証会社に万が一のことがあれば、回収された家賃が依頼者に入金されないというリスクをはらんでいたのです。

「業界最大手のリプラスだから安心だ。」

残念ながら不動産業界はこのように考えていました。しかし、滞納保証会社に収納代行を委託する危険性がリプラスの破産申告という事態によってようやく明るみになったのです。

基本原則に戻る!


もともと滞納保証サービスが広がる前、オーナー・管理会社は家賃回収・事前審査を自助努力で行っていました。例えば、入居申込があれば、連帯保証人の意思確認や勤務先での在籍確認を行います。また、滞納があれば、電話や手紙、もしくは貼り紙などで督促を行っていました。

それが、保証会社の滞納保証付収納代行の登場により、大家業・管理業の根幹である入居審査・家賃回収業務をまる投げするようになっていたのです。

まだまだこれから滞納保証会社が破産・倒産していくリスクは十分にあります。滞納保証会社を利用する場合には、収納代行型のものを選ぶのではなく、くれぐれも、滞納があったときにだけ滞納回収を依頼できるタイプのものにしましょう。

また、収納代行機関を利用する場合にも、事前に与信チェックを行うなど、入念に資本関係などを調べるようにしなければなりません。

確かに滞納保証を利用することで、連帯保証人のいない入居者も取り込めるようになり、入居募集の範囲が広がりました。しかし、今の時期は、口座引落や振込をメインの家賃回収方法とした方が安全です。

その上で、部分的に収納代行タイプではない滞納保証サービスを利用していく、というのが賢い使い方だと思います。

リプラスの破産は家賃回収方法を見直してみるよいきっかけとなりました。家賃回収方法に問題がないか、この機会に一度チェックしてみましょう!
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