内容証明郵便を活用しよう! |
2008年11月30日の記事で、立退きに必要な借地借家法の知識について解説しました。アパートの建替には立退きが必要となりますが、その際、借地借家法の内容を理解しておくと、立退き交渉が有利に進むということでしたね。
そして、立退き交渉は入居者に解約通知文を送ることからスタートします。
「でも、立退きなんてやったことがないから、どんなことを解約通知文に書けばよいのか分かりません・・・」
という方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は立退き交渉の第1ステップ、解約通知文の作成・発送方法について解説させていただきます。
どんな文言を入れるべきか?
解約通知文に盛り込むべきポイント及び話の流れは、
・建物が相当年経過したため、老朽化し、痛み具合が激しいこと
・近年大きな地震が各地で起こっていること
・このままだと地震などにより建物が倒壊し、入居者に被害が及ぶ可能性があること
・いろいろな事情があると思うが、入居者のためでもあるので、退去に協力してほしいこと
・期限内に立ち退いてくれる場合には立退き料を支払う意向があること
・この案内によって賃貸借契約の解除通知となること
というものです。
一方、注意事項としては、
・立退き期限を設け、期限内に退去完了した場合にだけ立退き料を支払うことを明記する
・「建替える」という文言は貸主の正当事由にはあたらないので書かない
というものがあります。
内容証明郵便って何?
この解約通知文ですが、単に郵送するだけでは不十分で、「内容証明郵便」で、「配達証明つき」で発送しなければなりません。
「内容証明郵便」とは、「誰が、誰宛てに、いつ、どんな内容の手紙を出したのか」を郵便局が公的に証明してくれるものです。一方、「配達証明」とは、相手に何月何日に配達したのかを、手紙の差出人に証明してくれるものです。
賃貸借契約を解除するには、貸主から6ヶ月前に解除通告することが必要ですが、内容証明郵便により、「確かに通知した」という証拠が残ることになります。しかし、内容証明郵便だけでは入居者側に通知が到達したことを証明できません。そこで、「配達証明」を組み合わせることで、入居者に通知が到達したことの証拠を残すのです。
「内容証明郵便」と「配達証明」を使えば、正式に入居者に解除通知を行ったことになります。このようにすることで、入居者の、
「賃貸借契約の解除なんて話は聞いていない・・・」
「解約通知文など届いていない・・・」
「そんな案内見ていない・・・」
という逃げ道をふさぐことができます。いざ立退きが必要になってから慌てることのないよう、あらかじめ文章の雛形などを作成しておくのがベストでしょう。
「解約通知文の内容は分ったのだけど、どういう風に書いていけばよいの?」
確かに書き方のルールが分らないと、はじめての場合、内容証明郵便は作成しずらいものかもしれません。そこで、次回は内容証明郵便の具体的な書き方について解説させていただきます。