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外壁の仕上げ 塗り壁の魅力について(2ページ目)

デザイン性で優れる塗り壁仕上げですが、メンテナンス面でいまいち踏み切れない、という方も多いようです。そこで、今回は塗り壁による仕上げのメリット、デメリットなどをお伝えしたいと思います

浦田 健

執筆者:浦田 健

アパート・マンション経営ガイド

塗り壁のメンテナンス 汚れとヒビ割れに注意


塗り壁で汚れが目立つ例
前述のように、デザイン性では非常に魅力のある塗り壁ですが、気になるのがメンテナンスです。まずはじめに目につくのは、汚れが付きやすい、ということです(写真はジョリパットの施工例)。雨水による黒い筋汚れがついています。これはサイディングを選んでも同様に起こるのですが、塗り壁の場合やはり汚れが目立ちやすいようです。

これについては、こまめにメンテナンスを施してください、としか言えませんが、設計段階で庇や水切り等をキチンと考えておけば、ある程度抑えることが可能です。このあたりは設計士さんと事前に打ち合わせておいてください。

それからもう一つ。塗り壁の住宅をよく見ると、たまに外壁にヒビが入っているケースが見受けられます。外壁にヒビが入ると見た目が悪くなるばかりか、水が浸入して建物が傷む原因になります。
ヒビ割れが生じると、建物自体が傷んできます。

それでは、なぜこのような亀裂(クラック)が発生してしまうのでしょうか。そもそも塗り壁の材料は、ほとんどの場合は伸縮性がないので、もし外壁の下地に伸縮が生じた場合、下地に密着した塗り壁にどうしてもクラックが発生してしまうのです。

そのようなデメリットを抑えるべく、近年では材料自体に伸縮性を持たせた「ジョリパット」や「スタッコフレックス」などがリリースされ、塗り壁でありながらヒビ割れを発生させにくい素材も登場してきました。事実、当社でも企画した物件で外壁にジョリパットを使いましたが、2年経過後もクラックはありませんでした。この点では、使い勝手は非常に良くなったと言えるでしょう。

とは言うものの、クラックについては、その時の配合具合(セメント、水、砂)や厚さ、下地の出来、気候の変化などにも大きく左右されます。つまり、施工の出来具合によってクラックの発生率は変わってしまうのです。

ですから、これから塗り壁を採用する場合には、施工を頼む際にそこの会社の過去の施工事例を見せてもらうことに注意してください。そして、施工例の外壁に目立ったクラックがないかどうかをキチンと確認してください。その際、もしクラックが発生している場合には、施工から何年経過しているのか、補修にいくらかかるのか、などを細かくチェックするようにしてください。

冒頭に紹介した知人にも、施工会社の施工物件を見学させてもらうよう、アドバイスをさせていただきました。そのうち、知人宅でセンスの良いエクステリアが出来上がるのを楽しみにしているところです。

さて、今回は塗り壁の特徴などについてお伝えしましたが、いずれにしても、外装は建物の顔です。大家さんたるもの、一番最初に入居者が目にするエクステリアをキレイにメンテナンスしておくことを常に心がけてくださいね。
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