仲介営業マンには本音と建前がある! |
前回は、物件がどのような優先順位で紹介されるかというお話をいたしました。仲介営業マンは店舗の方針によって紹介する物件の優先順位を変えるので、まずは依頼している仲介会社の方針を把握することが大切なのでした。
その上で、どのような条件ならあなたの物件を紹介してくれるのかを聞き出していくことが大切です。
しかし、仲介営業マンには、実は建前と本音があるのです。これを知っているかどうかであなたの入居募集の成否が左右されるといっても過言ではありません。
そこで前回に続き、今回も営業マンの本音を探っていきましょう。
営業マンへ突撃インタビュー!
店舗にお客様が来店されると、営業マンはそのお客様の要望を聞き、これに近いものをピックアップして紹介していきます。もちろん候補にあげるのは、自社所有物件や、管理物件、または広告料を稼げる物件が多くなります。店の方針で優先的に紹介するように指示されている物件の中から要望に近いものを選び出し、紹介するのです。
営業マンにインタビューしてみたところ、次のようなことを話してくれました。
「毎月のノルマが設けられていて、ノルマを達成するとインセンティブが手に入ります。ですので、当然私たちは手数料の高いものを紹介したくなりますよね。また、人気のある物件も紹介しやすいですね。いくつもの物件を見て回らなくても、一発で申し込みがもらえる可能性もありますし、効率よく手数料が稼げますものね。」
この話から、手数料の大きい物件、魅力のある物件が紹介されるやすいことが分かります。お店にとっても、手数料が多く稼げる物件や時間をかけずに入居申込がもらえる物件は優先されるということがいえます。
営業マンの本音は?
次に、成約時に営業マンに渡す謝礼についてインタビューしてみました。(著書の中でも営業マンに渡す謝礼が絶大な効果をもつことを繰り返しお伝えしています。)
「個人的に謝礼をもらえるのはうれしいですよ。ノルマ達成できない月だって必ずありますからね。でも、広告料なしで謝礼をもらえる物件を優先して紹介する、ということはしにくいですね。そんなことをしてると、店長や同僚から『お前なぜそんな稼げない物件なんか案内するんだ!』って白い目で見られてしまいますからね・・・。」
謝礼の効果として、
・ノルマ達成・未達成に関係なく、営業担当者に直接報酬が入り、営業担当者がノルマを達成したのと同じ、もしくはそれ以上のインセンティブが得られる。そのため、たとえ広告料がない物件でも謝礼がでれば、営業マンは優先して物件を紹介する
ということを著書の中でお話いたしました。さらに、副次的な効果として、広告料を店に支払うより、謝礼を個人に支払った方が安くあがる可能性もあったのです。
しかしながら、仲介営業マンの本音から分かる通り、「広告料をお店に支払うなら、個人営業マンに渡した方がよい」という考え方が通用しなくなりつつあるのです。
仲介営業マンは最後にこう続けました。
「でも、正直なところ、ノルマが達成できないことが確定してるときなんかは、謝礼がでる物件でインセンティブの穴埋めをさせていただいてます。言い方は悪いですが、お客様の要望に遠いかなと思っても、『こんな物件もありますよ』と紹介するようにはしてますよ。やはり、お金を稼げますからね。実際、そんな一言からお知り合いを紹介してもらえたこともあるんです。」
募集依頼方法を工夫しよう!
仲介会社と営業担当者の方針を把握することにより、募集依頼の対応方法を変えることはとても大切なことです。
例えば管理している物件しか紹介しない仲介会社なら、
「部屋を決めてくれたら、次回から管理をお願いできるかもしれません。・・・」
というトークをいれてみたり、また、手数料を優先したり、親会社の物件を優先する仲介会社なら
「広告料上乗せしますよ。ここだけの話、今月中に決めてくれたら、担当者に謝礼お渡ししますよ。」
と話すのも効果があることでしょう。
仲介会社、営業担当者が求めていることを見極つつ入居募集活動を行なうことによって、より実りあるアパマン経営が出来るはずです。そして、営業マンにはどのような条件なら紹介してくれるのか、単刀直入に聞いてみることも大切なことです。
そのためにも、日頃から仲介会社を訪問して、営業マンとの人間関係作りをしておくのが大事だといえるのです。