住宅リフォーム/住宅リフォームの流れ・時期

リフォーム工事はなぜ高い?

リフォーム工事は高いというイメージがありませんか?何だか割高に感じると言う人も少なくないでしょう。リフォーム工事は新築に比べてどんなところに費用が掛かっているのか?その理由とローコストに押さえるコツをご紹介します。(2017年改訂版、初出:2004年10月)

尾間 紫/Yuu

執筆者:尾間 紫/Yuu

リフォームガイド

リフォーム工事は新築より費用が高いと感じる人が多い

リフォームは高い

リフォーム工事は新築に比べて割高感がある、その理由とは?

リフォーム工事は高い、割高に感じるという人も多いことでしょう。今回は、リフォーム工事は新築に比べてどんなところに費用が掛かっているのか?その理由と、リフォームならでの特性から、ローコストに抑えるコツをご紹介します。

リフォーム工事は、古い部分と新しい部分を繋ぐ

新築は全てをいちから新しく作りますが、リフォーム工事では新しい部分と古い部分が混在するため、必ず新旧が繋がるところが出てきます。この古い部分と新しい部分を上手に繋げる手間が必要になるのがリフォーム工事の特徴で、新築には無い部分です。

解体するところだけ、豆腐を切るようにスパっと切って、新しく作った部分をピタッとくっつけることができれば工事は簡単なのですが、なかなかそうはいきません。
木材を切る

リフォーム工事で壁を補修する時、豆腐を切るようにそこだけスパっと切って、パッと継ぎ足すようにはできない。


リフォーム工事では、少し大きめに壊して、つなぎ目にスキマができないような工夫をしながらつぎ足すことで雨漏りを防いだり、新しい部分と古い部分の継ぎ目に違和感ができないよう上手に馴染ませて仕上げたりといったような「取り合い」の工事が必要になります。

この取り合い工事は、リフォームならではの手間で、新築に比べて費用が高いと感じられる原因のひとつです。しかし全てを壊して捨てる建て替えに比べ、リフォームは使える部分は残して活用するため、トータルで見れば経済的で省エネです。

リフォーム工事は、少しずつていねいに解体する

家を建て替えて新築する場合、古い家屋は機械を使って一気に解体します。しかしリフォーム工事では、該当箇所を少しずつていねいに壊していく手作業が中心ですので、解体に掛かる手間と費用が新築より割高になります。

また現在取り付けられているものを再利用する場合は、さらにていねいな取り外しが必要になり、手間が掛かります。しかしその分、廃材の量が少なくて済むので処分費を含めたトータル費用は新築より安く済み、またゴミが少ないのでエコでもあります。

工具

リフォーム工事では、該当箇所を少しずつていねいに壊していく手作業が中心。解体に手間が掛かる。


リフォーム工事では、いったん壊して作り直す

リフォーム工事では、目的の工事を行うために、様々な付随工事が発生することがあります。例えば、間取りを変える工事をする際は、ただ間仕切り壁の移動をするのではなく、補強のために天井裏や床下に梁や基礎が必要になることがあります。

その際は床や天井をいったん壊し、内部で補強工事を行った後、また床や壁を新たに作り直す工事が必要になります。同じように、壁や床の中で配管の移動が必要な場合は、壁や床をいったん壊すことがあります。

間仕切り壁を取ったキッチン

LDKを広々とさせるために間仕切り壁を取るリフォームの要望は多いが、天井や床もいったん壊す工事が必要になることも。


いったん壊して作り直すという作業は、新築には無いリフォームならではの特徴です。規模の大小はありますが様々な部位で行われ、その分の手間が工事費用として加算されるので、新築と比べると割高に感じられるのです。

リフォーム工事では、壊した後の下地処理を行う

新築で新しく壁紙を張る費用と、リフォームで張替える費用では、リフォームのほうが手間が掛かるので費用も高くなります。

新築は新しい下地板に壁紙を張りますので、下地処理はそれほど大変ではありませんが、リフォーム工事の場合はまず古い壁紙をはがす作業が必要になります。

加えて、はがした後の下地は凸凹になりやすいので、それらを平滑にする下地処理のための費用が計上されます。

壁紙リフォーム

壁紙工事を新築と比較した場合、リフォーム工事の場合は古い壁紙をはがす作業が余計に掛かる。


フローリングも同じです。古い物を剥がす工事は、ホコリが立ちやすく、手間が掛かるため、費用が高くつきます。そこで最近では、古い壁紙や床材を剥がさないで、上から貼ることができるリフォーム用の建材が増え、今までよりも安い費用でリフォーム工事ができるようになっています。

リフォーム工事は、規模が小さいので単価が高い

リフォーム工事は新築と比べて工事の規模が小さめです。建築工事は規模が大きくなるほど効率が上がり、単価が安くなります。

例えば、壁紙を張る工事を新築とリフォームで比較すると、新築の場合は200平方メートルほどの壁面を複数の人で一気に貼ることが可能です。

しかしリフォームでは、住みながらの工事も多いため、あまり大人数で工事をすると住んでいる人が大変です。そこで6畳の壁20平方メートル程度を1部屋ずつ仕上げるといった工事方法を取るため、その分時間と手間が掛かり、単価も高くなるのです。

リフォーム工事は、住みながらだから手間と費用が掛かる

リフォームでは古い部分をそのまま残しますから、工事中にそれらを傷つけないようにシートや合板、布などで覆う作業が必要になります。

またリフォームは住みながら工事を行うことが多く、住んでいる人も大変ですが、工事する側にも手間が掛かります。例えば、他の部屋にホコリが入らないよう現場全体をビニールで覆って隔離する、現在使っている家具や照明器具の移動や保護を行うと言ったことが必要になります。この作業のことを養生(ようじょう)と言います。

養生

住みながらの工事とは家の中が工事現場になるということ。工事する側も養生などに手間がかかる。


またトイレが使えない日があると大変です。生活に困らないよう、必要な設備が使えるよう調整したり、生活空間を残したりしながら少しずつ工事を進める必要があるため、工期も長く掛かります。このようなことから、住みながらの工事は、無人の家を工事するより工事期間が長く、費用も高くなるのです。

しかし仮住まいを借りて引っ越すとなると、今度は引っ越しの費用や家賃などが必要になります。仮住まいか住みながらかは、工事の希望や内容、予算によって決めるといいでしょう。

割高なリフォームをローコストに抑えるコツ

新築とリフォーム工事の特性をまとめてみましょう。新築は、大工さん、内装屋さん、設備屋さんなど、業種ごとにまとめて工事ができるので効率的です。また家具も無く、住人もいませんから、工事を一気に進めることができます。

リフォームでは、規模は小さくてもたくさんの業種が入り、解体や取り合いの手間が掛かるので割高になります。これらのことを考えていくと、リフォーム工事をローコストに抑えるコツがわかります。

【リフォーム工事をローコストに抑えるコツ】
  • カバー工法などのリフォーム用商品で解体や取り合い工事を省く
  • 小さな工事を何度も行うより、一度にまとめてやる
  • 特に浴室、洗面など同じ業種が入るリフォーム工事はまとめる
  • 家具の移動が無いよう、荷物が多い場合はトランクルームに預ける
他にも足場を掛けたら、それに関連する工事をまとめてやれば足場費用が1回分で済むので効率的です。また特注のサイズを使うと費用がかさむので、標準品を使うなどの工夫をすると費用が安く済みます。

リフォームならではのメリットで幸せな家づくりを


こだわりのリフォーム

リフォームだからこそこだわりのプランで楽しもう。完成後の満足度は大きい。


リフォームでキッチン工事に何百万円も掛かった!という話を聞くことがありますが、それは工事費用が高いからではなく、こだわりの部分にしっかり費用を掛けることができた、ということです。

新築では家を建てるところに費用が掛かってしまい、細部までこわだって作るのはなかなか難しいことです。その点リフォームなら、使えるところはそのまま残して活かし、本当にこだわりたい部分にシッカリこだわって家づくりができます。これがリフォームの最大のメリットであり、醍醐味です。

ぜひリフォームだからこそこだわりのプランで楽しんで下さい。その分、完成後の満足度も大きくなります。そのためにも、ムダな費用は徹底的にコストダウンを図って、予算にメリハリをつけましょう。

満足しながらリフォーム費用を安く抑える3つの方法は下記でご紹介していますのでご覧になってみて下さい。
工事を上手にまとめてコストダウンする具体的なテクニックは、下記に詳しくご紹介していますので、あわせてご覧下さい。
今ある床の上から重ね張りするカバー工法のフローリングは下記でご紹介しています。
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