住宅リフォーム/住宅リフォームの流れ・時期

こんなリフォームは高額になる、4つの理由

高額な費用が掛かるリフォームをした割りにはできばえがイマイチ!なんてことにならないように、高くつくリフォームを押さえておきましょう。コストダウンのテクニックもご紹介します。(2017年改訂版、初出:2008年2月)

尾間 紫/Yuu

執筆者:尾間 紫/Yuu

リフォームガイド

ちょっとしたリフォームを依頼したのに、出てきた見積りがあまりに高額でびっくり!という声を聞くことがあります。またかなりの費用を掛けたのに、できばえがイマイチな結果になってしまったケースも。どうしてこんな風になってしまうのでしょうか?

リフォームの特性で、意外な部分に費用が掛かり高額になることが

打ち合わせ

リフォーム費用はプランの工夫、打ち合わせのタイミング、事前準備の有無などでも差が付く。

リフォームは建築工事です。その特性により、意外な部分に多額の費用が掛かっていることがあります。また建築工事の中でも、リフォームだからこその注意点もあります。

中には、コストダウンを目指したはずが、却ってコストアップしてしまったケースもあります。知っていれば安く済むことも少なくないのです。

そこで今回は、こんなリフォームをしたら高額になる、費用がかさみやすいリフォーム例をご紹介します。計画前にチェックしておきましょう。

 

わずか1cmの差で高額になる可能性があるリフォーム工事

採寸

1cmのサイズの違いで高額になってしまうことも。値段が高いと思ったら、特注品や加工手間の有無を確認してみよう。

多くの住宅は尺貫法を基準に建てられているため、建築材料もそのサイズに合わせて製作されているものがたくさんあります。

例えば、6畳の部屋の寸法は、約2.73m×3.64m(柱の芯から芯までの寸法)ですから、扉や窓もそこにぴったりはまるようなサイズの製品が揃っています。

住宅建材や設備商品の多くは、これらのサイズに合わせて量産されているので、値段が安くまた入荷が早いという特徴があります。

例えばサッシなら、一間幅(約1.82m)用の標準品をそのまま使えば安く済みます。しかしそれより1cmでも大きくするとなると、ワンサイズ大きなサッシを小さく加工する必要があります。

つまり標準品を使えばその値段だけで済むところが、サイズを1cm大きくすると、ワンサイズ大きなサッシ代金との差額 + 加工手間代金が上乗せされるということです。もちろん納期も掛かります。そしてこれはサッシだけの話ではなく、多くの建築材料に当てはまります。

もちろんこだわりのサイズで作るのも、リフォームならではの醍醐味のひとつです。サイズを指定する場合には、こだわりの部分と、妥協できる部分をしっかり伝え、むやみに特注サイズを使って高額にならないよう気を付けましょう。

 

小さな面積でも多くの業種が入ればリフォーム費用は高額になる

工事業者

小さく見えても多くの業者が必要になる工事は高額になりやすい。

ほんの少しの増築なのに、そこだけで300万円以上も掛かった!とても高いリフォームについてしまったと後悔してしまうケースがあります。小さな面積であっても、工事に必要な業者の種類が多いと高額になってしまうのがリフォームの特徴です。

特にたくさんの業種が必要になるのが、増築と水まわりのリフォームです。例えば増築なら、木工事、塗装工事、内装工事だけでなく、基礎工事、屋根工事、外壁工事、植栽があればその移動、マスが絡めば設備工事、ガス管が通っていればガス工事など、様々な業種が必要になります。水まわりも面積の割りに必要な業種が多いのが特徴です。

これらを少しずつ何回も工事していると、工事の効率が悪く、総額にすると高額になってしまうことがあります。そこでコストダウンテクニック。同じ業種が入る工事は、できるだけまとめて行うと効率が上がり、費用を抑えることができます。

増築の場合は、まず増築無しでのプランを考え、増築するなら外壁塗装など、他の部分とまとめて工事を計画しましょう。浴室・洗面・トイレ・キッチンなどの水まわりは同じ業種が重なることが多いので、一緒に工事をするとコストダウンできます。

 

手間の掛かる作業の積み重ねがリフォーム費用を高額にする

工事

細かい手間代のつみ重ねによって高額なリフォームになっているケースも。

リフォーム工事の費用で大きな割合を占めるのが手間代です。コストダウンのために、ここを残して、あそこを継ぎ足してというような計画を立てると、却って高額になってしまうことがあります。

例えばタイルの一部分だけ残して壊して、新しく継ぎ足してというような工事は、周囲を壊さないように解体するにはとても手間が掛かり、当然費用もかさみます。また古い部分の寿命のことを考えると、そこまで費用を掛ける意味があるのか、得策とは言えないケースも少なくないのです。

と言ってもリフォームのよさは、使えるところは残して上手に使うこと。ここまでは残したほうがいい、ここからは新しくするという判断は、業者とよく相談して決めましょう。こうすれば安いはず!と思い込まないことも大切です。

 

途中での変更が多いリフォームは高額になりやすい

相談

着工直前や工事途中で、プランの変更依頼をすると高額になりやすいので要注意。

リフォーム工事は、工事がスタートするだいぶ前から、材料を加工したり商品を発注したりなどの準備が始まっています。

着工直前や工事途中で、プランの変更依頼をすると、これらの加工や発注がやり直しになってしまうため、無駄な費用が発生することがあります。

既に刻んでしまった材料は使えず、発注してしまうと返品交換ができない商品もあります。

また、まとめて工事することで安くできたものが、後から追加したせいで費用が割高になってしまうケースも少なくありません。

着工直前や工事途中でのプラン変更は、これらのコストダウンの工夫がふいになってしまったり、工期面や金銭的にもリスクが発生したりすることがあり、高額になりやすいので注意が必要です。

このようなムダを防ぐためにも、事前の打ち合わせをシッカリ行い、あいまいなまま工事を開始するようなことが無いよう注意しましょう。途中で変更したい場合には、できるだけ早く伝えるようにし、その際にはどれだけの費用が加算されるのかをよく確認することが大切です。

 

コストダウン一番の早道は?

見積もり

予算オーバーしそう!と思ったら、まずはリフォームが高額になるこれら4つの理由をチェックしてみましょう。

コストダウンの一番の早道は、その見積りを作った業者に聞くことです。どこに費用が掛かっているのかを一番よく知っているのは、それを見積もった業者です。

「この部分に費用が掛かっている」 「実はこの部分にはそれほど費用が掛かっていない」 という詳しい説明をしてもらい、「ここをこうすれば費用が大きく下がる」といったコストダウンの提案をしてもらうといいでしょう。

ただしコストダウンにはリスクも伴います。ケチったせいで大きな後悔を残すことになった、失敗リフォームの事例は下記でご紹介しています。
また費用をお得にリフォームするコツは、関連工事をまとめて行うことです。下記に、効率のいい基本の組み合わせ4つをご紹介していますので、あわせてご覧下さい。 【関連記事】


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