施主の意向で大きく異なる注文住宅
ハウスメーカーのプラン集。同じ商品であっても完成した建物によって総額は全く異なる |
敷地の条件にも大きく影響を受けます。敷地そのもののかたちはもちろん、地盤がしっかりしているのか、そうではないのか。周りが住宅密集地なのか、余裕をもって建てられる郊外の場所なのかどうなのか、などなど。はっきりいって、完成してみると、同じ商品で建てても全く違う価格になるものなのです。
注文建築とは、それぞれのお施主さんの条件に合わせて建てるスタイル。ですからそうなるのは当然のことなのです。「坪単価○○万円から」と「から」を付けるのは、そのためなのです。当たり前のことですが、これがまず基本。ちなみに1坪は3.3平方メートルです。
契約前のおおざっぱな見積もりを見てみると
次に住宅価格がどのような構成になっているのか、というお話。ある大手のハウスメーカーで契約前のおおざっぱな見積もりの段階では、「請負代金」+「諸費用」+「その他諸費用」=「総額」というかたちで提示されるそうです。分譲住宅地の事例。分譲住宅の場合は注文住宅と比べ比較的比較検討がしやすい。それは実際のモノがあるから。分譲マンションの場合も同様である |
設計事務所の場合はちょっと異質のよう。友人の建築家に問い合わせたところ、「契約前の段階では過去の実例価格から導いた坪単価を用いることが多いようです。基本設計後は工務店による概算見積もり、実施設計は工務店による詳細見積もり(相見積もり)というように、設計密度に応じて見積もり精度を高め工事契約金額を確定させます」とのことでした。
設計事務所の場合は、工事をどこの工務店に頼むのか決まっていない段階から価格を提示するわけですから、このような段取りになるわけです。設計事務所の取り分となる「設計料」は、工事費の10%程度(意匠・構造・設備込み)が目安とのことです。
数社を比較検討するのが正攻法
ハウスメーカーと商談する場合、早い段階から見積もりの提示を受ける。数社を比較検討するのが正攻法 |
注文住宅というのは結局のところどのような建物を建てるのかによって大きく変わってきますから、適正価格をどう判断するのかは極めて難しいものなのです。ですからよく言われるように、やはり数社に見積もりをとってそれぞれのプラン提案を吟味しながら、比較検討し決定するのが賢い方法といえるでしょう。
次のページでは、もう少し住宅価格に踏み込み、坪単価の話やローコスト住宅の話も書いてみたいと思います。