住宅取得のタイミングは人それぞれ
私は、前ページで申し上げたように、あまり住宅取得をあおり立てるようなことはしたくないと思っています。それは、住宅取得のチャンスとタイミングは、人それぞれに様々な条件で訪れると思うからです。子供が誕生した、子どもが成長したなどというのは住宅取得を真剣に考えるいい契機。「損か得か」に気をとらわれるより、「だから新しい住まいを」と考える方が納得して住宅取得にのぞめるのでは。 |
私が「買いです」とお勧めするタイミングは、このような事情で新しい住まいを求める気持ちが高まった時。確かに税制や金利というのは、その時その時で変更や変動があり悩ましいものですが、「そろそろ住宅建築を考えてみよう」なんていうタイミングは、人生の中でなかなかないものですよ。
例えば、子どもが生まれて「この子のために新しい住宅を」なんて考えることは、決して悪いことではないはず。資金の問題もあるでしょうが、ほかにお金を費やすくらいなら住宅に投資するのは悪い選択ではありません。住宅取得は幸せの象徴だと思うからです。
要は、後で後悔しない選択をすること。「あの時、子どもが生まれたから」なんていうのは、住宅取得の立派な理由になると思いませんか。家族の幸せを考えてのことですから、仮に取得の時期を間違った(後から取得の環境が変化したという意味)としても納得できるのではないでしょうか。
後悔しないよう本当に必要かを見極めることが大切
ここで一つタイミングについての具体例。私の友人夫婦が今、住宅取得を検討していますが、ネックになっているのが、奥さんが独身時代に購入していた分譲マンション。「ずっと独身で過ごす」つもりだったのだそうですが、結婚して今は旦那さんの社宅住まいです。「今が買い時」と他人に背中を押されるより、自分で納得して住宅取得に踏み切ることが重要 |
友人夫婦には悪いですが、このケースは住宅取得のタイミングを間違ってしまった例といえるでしょう。どのような住宅を取得するにせよ、高い買い物です。将来への不安材料になる場合もありますから、本当に必要かを考えて行動することが大切だと思います。
将来を見通すことは難しいことです。友人の奥さんのように独身で過ごす決意をしていても結婚する場合だってあるわけです。住宅取得はこのような人生設計を抜きにしては語れません。
住宅取得の機会は、一生のうち一度か多くても二度。慎重を期すことがまず第一で、人の意見に流されず主体的に判断することを心掛けましょう。ただ、後になって住宅取得を後悔しないですむいいタイミングを逃さないようにすることも大切ですね。