一戸建て購入/新築一戸建て購入

「今は新築戸建ての買い時?」への回答

住宅展示場に行ったり住宅のチラシを見たりすると、「今が住宅取得のチャンス!」なんて宣伝しています。これって本当なのでしょうか。そこで今回は現在の取得の環境とタイミングについて考えてみたいと思います。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

住宅展示場で相談員をやっていると、こちらが「へぇ~、そんなことも考えているんだ」と感心させられるような質問を受けることがあります。今回はその内容についてはいずれということで割愛しますが、それだけ皆さんが真剣に住まいづくりについて考えているということを痛切に感じさせられます。

そこで今後、そんな質問の中から代表的なものをピックアップして、それにお答えする内容のシリーズ「住宅取得の疑問解消!」を定期的に記事にしてみたいと思います。今回は、その中で最も基本的な質問、「今は買い時なの?」に答えてみたいと思います。

今が住宅取得にベストな状況?

さて、今が住宅の買い時かと問われた場合、私なら「少なくとも有利な条件が揃っています」と答えることにしています。こう答えるのには理由があります。それは、むやみに住宅取得をあおりたくないことと、今の状況が必ずしもベストなタイミングだとはいいきれないと思うからです。

パンフレット
住宅取得のチャンスについて説明するハウスメーカーのパンフレット。過去最大規模の住宅ローン減税や超低金利など確かに「チャンス」といえる状況にある
具体的に有利な条件をあげると、過去最大規模の住宅ローン減税(最大控除額600万円)、超低金利、各種税率の優遇措置(長期優良住宅の場合など)などがあります。過去最大規模のローン減税というだけあって、過去を振り返っても、確かに住宅取得にとても有利な状況とみて構わないと思います。

ただし、将来的にはどうかというと、それは私にはわかりません。もっと有利な条件になるかもしれませんし、そうでないかもしれません。私は経済学者ではありませんから、そうお答えするしかないのが正直なところなのです。

住宅ローン金利は当面低水準で推移

たぶん、皆さんが心配されるのが、今後、バブル時代のような高金利の状況が、またやってくるのではないか、ということではないでしょうか。その心配はおそらくないでしょう、というのが私の見方。だって、世の中、景気が悪いですから。

バブル時代は、景気が良く多くの人たちが住宅を取得を望んだため、住宅ローン金利が上昇したのです。今はそんな状況ではありませんから、金利は比較的低水準で推移して、乱高下することもないと考えられるでしょう。

住宅ローンのチラシ
住宅ローンには短期・長期、固定・変動などと様々なタイプがある。またハウスメーカーには提携ローンもあり、店頭金利よりも有利な条件のローンを紹介してくれる場合もある
とはいっても、仮に2000万円を借りた場合、金利が2.5%と3.5%では35年で約470万円も返済額が違ってきます。できるだけ、その推移を注目されておく方がいいに越したことはないでしょう。ただ、5%や6%なんて世界は、今のところ心配しなくてよさそうです。

ちなみに住宅ローンには、短期と長期があり、さらに固定と変動があります。借入期間や自己資金などの条件が異なり、どれが有利かは人それぞれ。ハウスメーカーの営業マンなどと相談して、皆さんに最も適したローンを選択するのが一般的です。

政権交代で住宅政策に変化?

9月に民主党政権が誕生し、これまで自民党が展開してきた住宅政策の方向性が調整されるかもしれません。そうした場合、住宅取得において今よりも有利、もしくは不利な条件に変わるかもしれません。そのことは少し念頭においていた方がいいでしょうね。

住宅政策や金利の動向は、政府の考え方や景気の行方に左右されることは否定できないのです。なんてことを書いていると、「エコ住宅ポイント」の話が政府の中で議論されているというニュースも出てきました。

いやはや。これでまた「住宅取得のチャ~ンス」なんて、販売の現場が盛り上がるのでしょうね。私たちにとっては、タイミングについて悩ましくなる材料が出てきたことになります。さて次のページではこのような状況を受けた上で、「住宅取得のチャンスとタイミングも人それぞれ」なんですよ、というお話から進めていきます。
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