ハウスメーカー・工務店/住宅メーカー・ハウスメーカー比較[工法・耐震・デザイン]

優しい住まいのカギ ユニバーサルデザイン(2ページ目)

「ユニバーサルデザイン」という言葉をご存じでしょうか。誰にでも使いやすくて安全な製品などのことをいいます。住宅の世界でも普及しつつありますが、まだハウスメーカー間で差があるようです。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

中途半端な段差が一番危険!

段差
段差を設けるなら座れるくらいの高さがあった方がいい。写真の事例は和室スペースで、畳の下を収納として活用できるようにしている
住まいのUDのうち第一なのは、まず危険をできるだけ排除すること。例えば段差に関する考え方があります。中途半端な段差が一番危険。つまり微妙な段差はなくし、逆に段差をつける場合は、誰にでも認識できる段差とすることです。

また、つまずいたりぶつかったりしても安全なように、そういった危険性のある場所には丸みを持たせておく。壁の角、巾木の角に足の指をぶつけて痛い思いをしたことがありませんか。そんなことにも配慮するのがUDの考え方です。

踊り場スペース
踊り場は万一、階段から足を踏み外しても大事にならないというメリットがある。写真は踊り場に書斎を設けた事例で、スペースを有効活用している
私は記事の中でよく階段の話を取り上げます。階段が急であると上り下りの際に危険。だから階段は緩やかにして踏み板を大きめにとった方がいいという主張です。これはUDの考え方を意識したもの。ハウスメーカーによっては、上り下りのリズムまで検討し反映させるケースもあります。

階段の途中に踊り場を設けることも、万が一転んだ場合でも大けがをしないという配慮があるわけです。階段や廊下の手すりも重要で、子どもからお年寄りまで誰にでも握りやすく力が入りやすいという形状もあります。

操作性も重要なポイントです。ドアやとびらで指を挟んだ経験が皆さんにはありませんか。例えば、ドアに一旦停止させる機能があること、クローゼットの折り戸に丸みを持たせているのは、指を挟まないようにするためなのです。

住宅設備にもUDの様々な工夫が

浴室
浴室にもUDの工夫が盛り込まれている。立ち座りが容易になるよう浴槽の縁に厚みを持たせたり、床にも滑りにくい素材を使うようになってきた
もう少し、具体的に見てみましょう。浴室にも様々なUDのアイデアが見られます。浴槽に膨らみや厚みがあるのはそこに腰掛けてから入ることができるようにするため。また浴槽の中に段差が設けてあるものがありますが、これは半身浴のためだけでなく、浴槽内での立ち座りをしやすくするためです。

次はトイレ。狭小の限られたスペースであることが多いですが、そこにデザインとスペースを考慮した手すりを配置することも重要。しかも、立ち上がる際にあまり力がいらない形状にすることも大切。できれば車椅子を使用した際でも使い勝手がよいようであればなお良いですね。

住宅は様々な部資材・設備の集合体。それらのメーカーでそれぞれにUDの考え方を導入しています。しかし実は一つひとつの部資材・設備のUDはまだ序の口で、ここまでは標準レベル。ハウスメーカーの差別化はここまでではそう顕著にみられません。次のページでは、間取りなど空間プランニングも含めたUDの必要性についてご紹介します。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます