中途半端な段差が一番危険!
段差を設けるなら座れるくらいの高さがあった方がいい。写真の事例は和室スペースで、畳の下を収納として活用できるようにしている |
また、つまずいたりぶつかったりしても安全なように、そういった危険性のある場所には丸みを持たせておく。壁の角、巾木の角に足の指をぶつけて痛い思いをしたことがありませんか。そんなことにも配慮するのがUDの考え方です。
踊り場は万一、階段から足を踏み外しても大事にならないというメリットがある。写真は踊り場に書斎を設けた事例で、スペースを有効活用している |
階段の途中に踊り場を設けることも、万が一転んだ場合でも大けがをしないという配慮があるわけです。階段や廊下の手すりも重要で、子どもからお年寄りまで誰にでも握りやすく力が入りやすいという形状もあります。
操作性も重要なポイントです。ドアやとびらで指を挟んだ経験が皆さんにはありませんか。例えば、ドアに一旦停止させる機能があること、クローゼットの折り戸に丸みを持たせているのは、指を挟まないようにするためなのです。
住宅設備にもUDの様々な工夫が
浴室にもUDの工夫が盛り込まれている。立ち座りが容易になるよう浴槽の縁に厚みを持たせたり、床にも滑りにくい素材を使うようになってきた |
次はトイレ。狭小の限られたスペースであることが多いですが、そこにデザインとスペースを考慮した手すりを配置することも重要。しかも、立ち上がる際にあまり力がいらない形状にすることも大切。できれば車椅子を使用した際でも使い勝手がよいようであればなお良いですね。
住宅は様々な部資材・設備の集合体。それらのメーカーでそれぞれにUDの考え方を導入しています。しかし実は一つひとつの部資材・設備のUDはまだ序の口で、ここまでは標準レベル。ハウスメーカーの差別化はここまでではそう顕著にみられません。次のページでは、間取りなど空間プランニングも含めたUDの必要性についてご紹介します。