ハウスメーカー・工務店/住宅メーカー・ハウスメーカー比較[工法・耐震・デザイン]

誕生から50年が経過 プレハブ住宅(2ページ目)

「工法研究シリーズ」の第一弾として、プレハブ住宅を取り上げます。既に誕生から50年の歴史があり、戦後の住まいづくりをリードしてきました。今回はその特徴を紹介したいと思います。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

施工期間の短さもプレハブ住宅ならでは

先日、あるプレハブ系ハウスメーカーの施工現場を見に行って、改めて驚いたことがあります。それは施工の早さ。その現場では、建物の構造部分と外観までの工事なら3日以内で終了してしまうということでした。

施工現場
プレハブ住宅の施工現場。この現場の場合、1階の建て方工事は1日ですんでしまった。プレハブ住宅の施工期間の短さをよく表している
あくまでも平均施工日数の話ですが、標準的な建物の場合、大体2ヵ月~3ヵ月程度(基礎工事は除く)で完成してしまうというケースもあるようです。中でも、ユニット工法の住宅では(建物の規模にもよりますが)、1ヵ月から1ヵ月半程度と特に施工期間が短いという特徴があるようです。冒頭でミゼットハウスは3時間以内で建てられていたという話をご紹介しましたが、プレハブ住宅はその施工期間の短さという特徴を、今に受け継いでいるというわけです。

他の工法との比較は難しいのですが、施工期間が短いというのは、仮住まいの期間が短くてすむということです。あまり注目されませんが、仮住まいにもそれなりのコストがかかります。ですから、施工期間が短いことは、仮住まいのコストを抑制できるというメリットがあるというわけですね。

プレハブ住宅の特徴は工業化、工場で生産されることにありますが、そのメリットは施工期間の短さだけではありません。現場で施工するよりも、工場で生産する方が作業効率が高まり、それは品質の向上、施工ミスの軽減にも寄与します。

中でも、ユニット住宅のハウスメーカーでは、全工程の8割以上を工場で行っているケースもあります。例えば、それぞれのユニットの中にキッチンやトイレ、浴室、ドアやサッシなどといった住宅設備の設置や、電気配線まで実施。そのユニットを現場までトラックで運び入れるというわけです。

大量生産から「邸別生産方式」に移行

ユニット住宅の生産ライン
ユニット住宅の生産ライン。この写真からは工場内でユニットに様々な部資材、設備が設置されていることがわかる。このような作業の様子を来場者にも積極的に公開している(写真はセキスイハイムの工場)
ところで、プレハブ住宅というと、どうしても「企画型住宅」というイメージがあります。企画型住宅というと、画一的、大量生産というイメージがありますが、実は近年はそのような生産手法はあまり行われていません。「邸別生産方式」というスタイルが一般的になってきました。

この方式は、コンピューターやインターネットなど情報技術の進歩によるもので、今は例えば、構造躯体の鉄骨材1本をとってもそれぞれ邸別に生産と管理が行われています。これにより、より自由度の高い住宅設計と供給が可能となっているのです。

プレハブ系ハウスメーカーでは、工場の見学会を積極的に行っています。一度、見学されることをお勧めします。他の工法を含め、住まいづくりの参考になることも多いと思います。

【関連記事】
工法・構造からみる住まいづくりのポイント

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます