また、木はCO2を吸収し保存するという役割を持っています。木造住宅を建てると、それに使われている木材の量だけCO2を蓄え、放出を抑えているというわけ。これに加えて、近年は「産直住宅」という考え方も普及してきました。
環境に優しい国産材の活用が徐々に浸透
きちんと伐採と植林が計画的に行われている山林であれば、そこから産出される木材を使った住宅は環境に非常に優しい住宅となる |
こうした考え方は、食品の分野でお馴染みですよね。ご存知のように、日本の山林は人件費の高騰や山林で働く人たちの高齢化によって荒廃が進んでいるといわれています。山林の荒廃は災害の発生などと深い関わりがあるといわれますし、またスギ花粉など、花粉症の問題もこのような状況と無縁ではないようです。
地域材や国産材を活用する動きは、このような問題を解決する手段として注目されています。ただ、実際には海外材の方がまだまだコストメリットが高いようで、まだ部分的にとどまっているのも、また事実のようです。
地域に密着した木造軸組住宅による住まいづくり
国産材は、海外材との価格差といった難しい問題もあり、使用は徐々にといった状況。ただ、住宅業界でもその重要性についての認識は高まりつつある |
もっとも、(ツーバイフォーも含めた)木造住宅だからといって、全てが環境に優しいかというとそうでもありません。何より大切なのは、長持ちする住宅であること。短期間に建て替えられる住宅であると、木造住宅であれ環境に優しいとはいえません。
ですから、木造住宅以外の住宅であっても長持ちする住宅であれば、環境上の配慮は行われていると考えてよいと思います。また。プレハブ住宅の場合のように、生産時や解体時に発生する廃棄物の管理や処理などを高い精度で行っている事例もありますから、そういう視点で環境を捉えることも必要になってくるでしょう。
【関連記事】
世界基準の住まいづくり ツーバイフォー
誕生から50年が経過 プレハブ住宅