「ピアノ不可」と契約書に書いてなかったら?
また、契約書で「ピアノ不可」ではなかった場合はどうなるのでしょうか?
これは、「契約書に書いていなかったことはやっても契約違反にはならない」と考えるかどうかという点が問題になります。確かに、そう考えても間違いではないように思われますが、これもトラブルのもと。
最近は、できるだけトラブルが起こらないように最初の契約の段階でかなり細かいことまで記載されるようになったので、ピアノなどの楽器の演奏に関する内容も盛り込まれていることが多いのですが、それでももし何も記載がない場合には、「基本的にダメ」と考えておきましょう。
どんな音を騒音と感じるかは、人によって千差万別。あなたの音が他人に大きなストレスを与えているかもしれない |
というわけで、最初の「賃貸住宅で電子ピアノはOKだと思いますか?」という質問の正解は「3」でした。「1」は、「賃貸借契約で『ピアノ不可』になっていなくても、基本的にピアノも電子ピアノもダメ」、「2」は「賃貸借契約書で『ピアノ不可』なら当然電子ピアノもダメ」なのですよ!
ちなみに、国土交通省が作成した「賃貸住宅標準契約書」によると、「禁止または制限される行為」として、「大音量でテレビ、ステレオ等の操作、ピアノ等の演奏を行うこと。」との条文が盛り込まれています。ちょっと意地悪な見方をすれば、「大音量じゃなかったら、ピアノの演奏はしてもいいってこと?」と思いますが、これはそうではなく「ピアノ等の演奏を行うこと」を禁止しているという条文。これは一般的な契約書の例として挙げられているものですが、各不動産会社で作成している契約書はさらに細かく具体的に禁止行為が書かれているものが多く、「ピアノ可」物件でない限りは「ピアノ禁止」との条文が契約書に書いてあるようです。
もし、契約書に「ピアノ不可」とは書いていないからピアノか電子ピアノを買おうかな~と思ったときには必ず大家さんか不動産会社に確認をすること。「確認したらダメって言われそうだから、内緒で買っちゃった!」なんていうのは危険。ケースとしては多くありませんが、確認すればもしかしたらOKが出ることもあるかもしれませんし、内緒で事を進めると、後々大きなトラブルとなって後悔することにもなりかねません。契約違反で解約になることもありますので要注意です。
もちろん、OKが出たら近隣の住人にはその旨を伝えるとともに、「今後よろしくお願いします」と菓子折りでも持ってあいさつをしておくことを忘れずに!
騒音の問題はデリケート
どんな音をうるさいと感じるかは人によって千差万別。自分ならこのぐらいの音はうるさくないと思っていても、他人にとっては不眠・イライラの元になることも多々あります。また、世の中には自分が音を出す分には平気なのに、他人から聞こえてくる音が少しも許せない!という人もいます。賃貸でも快適な暮らしを送りたい気持ちはやまやまですが、そうはいってもやはり賃貸ではピアノも電子ピアノも基本的には禁止なのだと心に留めておいてくださいね。
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