要介護状態になる原因って何?
介護の原因となりやすい病気やケガとはどんなものでしょうか?
厚生労働省が平成20年9月に発表した統計によると、主な原因は次の通りです。
■主な原因の構成割合
- 脳血管疾患(脳卒中)……18.5%
- 認知症……15.8%
- 高齢による衰弱……13.4%
- 骨折・転倒……11.8%
- 関節疾患(リウマチなど)……10.9%
- 心疾患(心臓病)……4.5%
- パーキンソン病……3.4%
- 糖尿病……2.8%
- 呼吸器疾患(肺気腫、肺炎など)……2.4%
- 悪性新生物(がん)……2.3%
- 脊髄損傷……2.3%
- 視覚・聴覚障害……1.8%
- その他・不明・負傷……10.2%
このなかで高齢による衰弱は、加齢とともに必然的に起こるものです。それ以外の原因について、詳しく見ていきましょう。
要介護となる原因は3つに分けられる
要介護となる原因のなかで、特に予防や注意を心がけたいものは「身体の病気」「心の病気」「ケガ」の3つに分けることができます。■身体的な病気・疾患
「脳血管疾患(脳卒中)」「関節疾患」「心疾患(心臓病)」「パーキンソン病」「糖尿病」などが挙げられます。
これらの病気にかかると、身体にマヒが起きたり、関節が思うように動かなくなってしまい、発病前と同様の生活を送るのが困難になるケースが少なくありません。その結果、食事や入浴、トイレ、移動といった日常生活についての介助が必要となります。
高血圧、高脂血症などの生活習慣病が原因となるものが多いため、日頃から適切な睡眠や食生活、適度な運動を心がけることによって、発病のリスクを抑えることが可能です。
それぞれの病気についての詳細は、別記事としてまとめましたので、そちらも併せてお読みください。
>介護に繋がりやすい身体的な病気・疾患について、詳しくはこちらへ。
■精神的な病気・疾患
代表的なものとして「認知症」が挙げられます。認知症とは、正常であった脳の働きが、病気によって持続的に低下した状態のことです。
認知症になると、「物忘れが激しくなる」「日時、場所、人がわからなくなる」「状況に合わせた判断ができなくなる」などの症状が現れます。人によっては「妄想」「幻覚」「徘かい」などの症状が出る場合もあり、普段から安全な暮らしを維持できるように見守り・声かけをはじめ、さまざまなサポートが必要です。
認知症の原因となる病気はさまざまですが、多くは「アルツハイマー型」と「脳血管性」のいずれかか、その合併症です。身体の病気と同様に、適切な睡眠や食生活、適度な運動を行うことや、社会との関わりなどで暮らしにハリを持つことなどで、発病の確率を下げられます。
それぞれの病気についての詳細は、別記事としてまとめましたので、そちらも併せてお読みください。
>介護に繋がりやすい精神的な病気・疾患について、詳しくはこちらへ。
■ケガ
圧倒的に多いのが、「骨折・転倒」によるものです。
高齢者の場合、骨折からの治癒に時間がかかるため、そのまま寝たきりや車いす生活になる場合も少なくありません。こうなると移動をはじめ、入浴やトイレなどの介助が必要となってしまいます。また、転倒によるショックで、うつのような症状が現れることもあります。
高齢者は筋力の減退や白内障などによる視力の衰えが重なって、転倒事故を起こしやすくなっています。しかも骨粗しょう症によって骨がもろくなっていることが多く、若い人なら打撲で済むようなケースでも、骨折してしまうことが珍しくありません。住宅内をバリアフリーにするなど、できるだけ安全な住環境を整えることが大切です。
ケガについての詳細は、別記事としてまとめましたので、そちらも併せてお読みください。
>介護に繋がりやすいケガについて、詳しくはこちらへ。