くる病の検査
くる病(骨軟化症)が疑われる場合、血液検査とX線検査を行います。■くる病が疑われる場合の血液検査
血液中のリン、ビタミンDが減少していないかを検査。カルシウム減少も血液検査で確認できる場合も。ALP(アルカリホスファターゼ)という体内の酵素が上昇していないかも診断の目安になります。
■X線検査
骨に異常が出始めた場合、それぞれの骨の先端が欠けたように写ることが多いです。また通常のX線検査では骨は白く写るが、くる病の場合は少し灰色がかって写るのも特徴。O脚などの足の骨の変形や、背骨の変形など、骨の形状も確認します。
くる病の予防法
ビタミンDを多く含む魚は、カルシウムも一緒に摂れるので一石二鳥
最近では、皮膚への悪影響を避けるために子どもの沐浴を避ける動きがありますが、最低限の日光は必要。日常生活レベルの日光は過剰に恐れず、適度な日光浴も大切です。併せて、カルシウム、リン、ビタミンDを含む食材を積極的に摂りましょう。
■カルシウムが多く含まれている食品
牛乳、豆腐などの大豆製品、魚類など。1日のカルシウム摂取目安は子供で400~1000mg、大人で600~900mg。カルシウム600mgの目安は牛乳なら600ml、木綿豆腐2丁、ニシン6匹は必要になり、一つの食品で補うのは困難です。バランスのよい食事で少しずつ上手に摂取しましょう。
■リンが多く含まれている食品
カルシウムと同じく魚類、牛乳・乳製品、大豆、肉類など。1日のリン摂取目安は、子供で600~1350mg、大人で900~1050mg。リン900mgを摂るには牛乳1000ml、木綿豆腐2丁、サケなら6切れが必要です。カルシウムと同じく、毎食バランスのよい食事で摂取するのが理想的です。
■ビタミンDが多く含まれている食品
サケ、秋刀魚などの魚類、しめじなどのキノコ類、卵など。1日のビタミンDの摂取目安は子供なら4μg、大人で5μg。サケやサンマなら一切れで1日に必要なビタミンDが十分摂れます。卵だけで取ると4個は必要なので、あまり現実的ではありません。特に魚はカルシウムも取れるので、一石二鳥です。
■サプリメント
ビタミンD、カルシウム、リンのサプリメントでもOKです。サプリメントの含有量には注意しましょう。ビタミンDやカルシウムの摂り過ぎは、血液中のカルシウムが高くなり、血管にカルシウムがたまったり、腎臓結石のもとになってしまうので、適度な摂取がいいでしょう。例えば、ビタミンDの上限は50μgです。
くる病の治療法
くる病で骨の変形を起こしてしまうと、骨の固定や手術による矯正が必要になり、治療にかかる時間も負担も大きくなります。骨の変形が起こってしまう前に早期診断し、早期治療を始めることが重要です。まずは影響の大きい栄養面から改善して悪化を防ぎます。くる病になってしまうと通常の食事だけで栄養を摂るだけでは間に合わないので、基本的にビタミンDを内服します。リン不足の場合はリンを、カルシウム不足の場合はカルシウムをそれぞれ内服します。
家族性低リン血性ビタミンD抵抗性くる病の場合は遺伝性なので、治療が若干異なります。リンとビタミンDの内服に加え、低身長の場合は成長ホルモンの投与を行います。さらに骨の変形が見られる場合は骨切術という手術で骨の変形を修正する必要があります。