「くる病(骨軟化症)」とは?

眠る赤ちゃん

くる病は通常、生後数ヶ月以内に発症します(厚生労働省)

くる病(骨軟化症)は成長期に骨のカルシウムが作られず、骨が曲がったり、柔らかくなったり、骨折しやすくなる骨の病気。骨の成長に必要なビタミンDやカルシウム、リン不足が主な原因で起こります。近年の日本ではくる病の報告は少なくなりましたが、偏った食生活を続けているとリスクが高まる病気です。くる病の症状や原因、発症リスクについて解説します。

くる病の症状……骨変形や関節腫脹、成長障害も

くる病では以下に示すようなO脚などの骨変形、関節腫脹、肋骨念珠、頭蓋癆などが生じます。
  • 足が曲がって成長する(重度のO脚など)
  • 関節が膨らむ
  • 1つ1つの肋骨の一部にコブのように膨らむ(肋骨念珠)
  • 頭蓋骨が手で押すと凹むぐらい柔らかくなってしまう(頭蓋癆)
  • 筋肉痛や筋力低下が起こる
  • 成長期でも身長や体重増加が止まる
  • 歯がくすんだり、虫歯になりやすくなったりする
  • 血中のカルシウム不足による痙攣や手足のこわばる

くる病の3つの原因……栄養不足・遺伝・日光不足

このように肋骨の部分にこぶができて、念珠のようになっています

このように肋骨の部分にこぶができて、念珠のようになっています

くる病の原因は様々ですが、主に以下の3つに分けられます。

■栄養不足……特にビタミンD、カルシウム、リンの不足
■遺伝……男性に遺伝する家族性低リン血性ビタミンD抵抗性くる病など
■日光不足……極端に日光を避けることによるビタミンD不足

特にビタミンDは紫外線によって体内で作られるため、日光不足も原因になります。手塚治虫氏の『ブラックジャック』にも、日光の当たらないロッカーで育てられてくる病になった赤ちゃんが登場しますが、医学的に起こりえることです。近年では、アトピーなどの皮膚炎の悪化防止のために、食品の制限や極端な日光防止をした結果、くる病を発症してしまった例も報告されています。

また、未熟児や消化管の病気がある場合、栄養の蓄えや吸収が悪いために体内のビタミンD、カルシウム、リンが不足しやすく、くる病のリスクが高まります。未熟児はもともと体内ビタミンDが少ないため、注意が必要です。NICU(新生児集中治療室)では必ずくる病の検査を行うのはそのためです。

過剰なダイエットや紫外線対策が、くる病のリスクに?

子どもだけでなく、思春期前でまだ骨が成長している女性では、2つの点で注意する必要があります。「ダイエット」と「紫外線対策」です。

■過剰なダイエット
過剰なダイエットでは、全体のカロリー不足だけでなく、食材の偏りにより、ビタミンD、カルシウム、リンが不足がちになります。そのため、骨がもろくなったり、くる病を発症することがあります。骨がもろくなれば、将来的に骨粗鬆症(こつそそうしょう)の原因にもなります。

■紫外線対策
スキンケアと皮膚がんの予防に、紫外線対策は必須。日焼け止めクリームや日傘、帽子、衣服などで紫外線対策をしていることが多いと思いますが、ビタミンDを体内で作るためには、適度な紫外線が必要なのです。従って、紫外線対策は必要ですが、過度な対策にはリスクが伴います。何事にもバランスが必要だということですね。

くる病の詳しい予防法、治療法については、「くる病(骨軟化症)の予防と治療」をあわせてご覧下さい。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。