2週間ほどで自然治癒する口唇ヘルペス
全人口の2人に1人は感染していると推定される口唇ヘルペス。年齢が高くなるほど、感染している人の割合は高くなります。昔は口唇ヘルペスの積極的な治療法がなかったので、自然治癒を待っていました。自然治癒には2週間程度かかりますが、水ぶくれ(水疱)を潰さないよう気をつけて、かさぶたが自然に取れるのを待てば、跡を残さずに治すことができます。
美容的に気にならなければ、自然経過に任せて治るのを待つのも選択肢の一つです。
口唇ヘルペスをより早く治療できる内服薬
とにかく早く直したいなら、内服薬の服薬が効果的。自然治癒より短い時間で水ふくれが改善します
とにかく早く治したい場合は、「抗ヘルペスウイルス剤」という内服薬を使うことになります。抗ヘルペスウイルス剤の内服薬は処方薬なので、病院を受診しなければ購入できません。皮膚科を受診しましょう。
内服薬は以前は1日5回服薬すろ「ゾビラックス」という薬が処方されていましたが、現在は1日3回服薬する「バルトレックス」という薬が処方されます。発疹や下痢、頭痛などの副作用が起こることがあるので、副作用が気になる方には服薬はお薦めしません。
再発した口唇ヘルペスには、市販外用薬も効果的
成人の口唇ヘルペスの場合、初感染ではなく再発で起きることがほとんど。何度か再発を経験した人なら、目に見える症状が出る前に口元にピリピリした違和感を感じるなど、再発が予想できることも少なくありません。前の症状を知っているので、再発した場合に口唇ヘルペスだと自己診断することも可能です。再発と分かる場合は、皮膚科で使用している外用薬と同じ成分を含んだ外用薬【ヘルペシア軟膏(大正製薬)、アクチビア軟膏(グラクソスミスクライン)】を薬局で購入することができます。
口唇ヘルペスの再発予防法
口唇ヘルペスの再発を防ぐためには、ヘルペスウイルスに対する免疫力を維持することが大切。毎食のバランスを完璧にするのは難しいでしょうから、1日単位で栄養のバランスを考えて、卵や肉などの蛋白質と、ビタミンCなどの水溶性ビタミンの両方をしっかり摂取するようにしましょう。肉体的な疲れだけでなく、精神的なストレスが多い場合も、ヘルペスウイルス対する免疫力が落ちるので、疲れを感じたときには適度な息抜きを心がけることも大切です。口唇ヘルペスの感染予防法
人にうつさない工夫も大切。水ぶくれ(水疱)が出ている時期はウイルスの量が多く、感染源になってしまう可能性が高いので、他人との接触には注意が必要です。同居している家族がいる場合、タオルやうがい用のコップの共有など、水回りのものが家族内感染の原因となりやすいので、個別の道具を使うようにしましょう。相手がウイルスに対して免疫を持っていて抵抗力がある場合には、発症しません。症状がない時でも唾液中にウイルスが含まれていることがありますが、この程度で人に感染することはほとんどありませんので、一度症状が出たからといって神経質にならなくても大丈夫です。
特に注意が必要なのは、乳幼児とのスキンシップです。母親がすでにヘルペスウイルスに感染していて免疫がある場合は、新生児に大きな症状が出ることはありません。最初は母体からの抗体があるからです。しかし、母体からの抗体が減少する新生児時期を過ぎ、かつ1歳未満の乳児の場合は免疫機能が未発達なので、全身に強い症状が出る可能性があります。皮膚の症状が出ているときは乳幼児との過度なスキンシップは控えましょう。