糖尿病食事療法の目的

食後血糖値を上げるのはうどんです。海老の天ぷらではありません。でも、天ぷらを食べ過ぎるのもNG。バランスが大切です。

食後血糖値を上げるのは炭水化物。天ぷらよりも軽くて健康的に見えますが、最も血糖値を上げるのは炭水化物の多い麺。

糖尿病では血糖値の管理が欠かせません。糖尿病と診断された方なら、空腹時や食後の血糖値や、長期の血糖値トレンドをみるヘモグロビンA1cの検査をしていると思います。糖尿病の合併症を予防するためには、食事療法、運動療法、服薬、インシュリン療法などによる血糖値管理が重要。

また、糖尿病の三大合併症はもちろん、脳梗塞・心筋梗塞などになるリスクが高くなるため、血糖値だけでなく、コレステロール、血圧、体重の管理も併せて行います。ここでは合併症を予防することを目的に、高血糖値だけでなく、高脂血症、高血圧、肥満改善を目指す糖尿病の食事療法のコツをご紹介します。

糖尿病食事療法の種類

日本でよく使われている糖尿病の主な食事療法には、「食品交換表」と、最近広まってきている「カーボカウンティング」の2つがあります。まずはそれぞれの食事療法の特徴を理解しましょう。

■食品交換表
エネルギー制限をしながら栄養のバランスをとる食事療法です。食品交換表では、同じような栄養素を含む食品を6つのグループに分類しています。80カロリーを1単位とし、それぞれの食品グループから摂取する単位数を決め、全体の栄養バランスを保ちます。

■カーボカウンティング
カーボというのは、カーボハイドレート(炭水化物)の英語の略語。炭水化物の摂取量を調整して、血糖値を管理する食事療法です。カーボカウンティングでは炭水化物15グラムを1カーボとし、毎食ごとの炭水化物を調整して血糖値を管理します。日本では比較的新しい食事療法ですが、多くの国では広く使われています。ただし、大阪市立大では炭水化物10グラムを1カーボと定義しています。

自分にあった食事療法の選び方

食品交換表は、栄養バランスとカロリー制限を重視した方法なので、減量が必要な人、バランスのよい食事に関する知識が不足している人などに向いている食事療法。減量や栄養バランスのとれた食事は、糖尿病によってリスクの高まる脳梗塞や心筋梗塞の予防につながります。減量の必要がなく、既にバランスのよい食事をしている人には不向きです。また、不安定な血糖値に悩んでいる人、集中的に血糖値管理をしたい人にも不向きです。

一方、カーボカウンティングは、血糖値に大きな影響を与える炭水化物量を調整します。減量の必要がない人、バランスのよい食事をしている人に向いている食事療法。これは血糖値管理を重視したもので、三大合併症である糖尿病腎症、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症の予防につながります。

GI値を利用した糖尿病食事療法

上記2つの方法のほど日本では一般的ではありませんが、イギリス、オーストラリア、アメリカなどでは、「グリセミックインデックス(GI)」という糖尿病食事療法が主な方法として使われています。同じ炭水化物でも、血糖値を上げやすいもの(=GI値が高いもの)と、上げにくいもの(=GI値が低いもの)があります。このGIを取り入れた食事療法は、バランスのよい食事、カーボカウンティングの知識がある人に向いています。ただし、GIを使用する場合は、GL(グリセミックロード)の知識も必要です。

糖尿病の食事療法の理想は、一般的な栄養バランスのよい食事をしながら(バランスのとれた食事 = 食品交換表に沿った食事という限定的な意味ではない)、血糖値の管理をすることです。食事療法のツールはあくまで手段であって目的ではありません。自分のライフスタイルにあった食事療法を実践してみましょう。

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