低血圧症とは

血圧は一度だけでは判断が難しいので、日を変えて繰り返し測定することが大事です。

一度の測定では正確な判断が難しい血圧。日を変えて繰り返し測定し、自分の血圧を把握することが大切

安静時に測った上の血圧(正式な呼び方では「収縮期血圧」)が100mmHg以下で、めまいや立ちくらみなど、何かしらの自覚症状がある場合を低血圧症と診断します。

検診で測定した血圧が低く心配される患者さんもいますが、血圧が低ければ全てが低血圧症というわけではありません。血圧が低くても日常生活に支障がなく、健康な生活を送っている場合は、人と比べて体質的に血圧が低いというだけで、低血圧症という病気には含まれないのです。実際は体質的な「低血圧」の人がほとんどで、特に気になる症状がない場合は病院を受診する必要はありません。

また、血圧は変動しやすく、一時的に血圧が低くてもすぐに回復する一過性の低血圧と、血圧が低い状態が持続する低血圧があります。一度の測定で自分の血圧を判断するのではなく、日を変えて測定を繰り返し、自分の血圧の目安を把握することが大切です。

一過性の低血圧症の原因と症状

代表的なのは起立性低血圧症。立ち上がったときや長時間立ちっぱなしのときに眼の前が真っ暗になり気が遠くなって、時には失神することもあります。立っていて倒れると「貧血」と思う人が多いようですが、貧血は赤血球が少ない病気のことなので、起立性低血圧症とは別物。

通常、姿勢を変えても血圧が維持されるのは、神経が血圧を調節しているから。血圧調節がうまくいかないと安定した血圧が保てず、急に立ち上がったときに脳の血流が低下し、立ちくらみなどの症状が現れたりします。

寝た状態の血圧と、寝た状態から立ち上がったときの血圧を測定し、上の血圧(収縮期血圧)が20mmHg以上下がってしまう場合は「起立性低血圧症」と診断されます。起立性低血圧症は高齢者に多く見られますが、心臓機能の低下や脱水、糖尿病神経障害を含めた神経障害が原因になることも。

これ以外に、食後や運動後に一時的に血圧が低下することがあり、こちらも高齢者によく見られる症状です。いずれにしても本人が気になる症状に悩んでいなければ、特に治療する必要はありません。

持続性の低血圧症の原因と症状

低血圧の状態が持続する場合する「低血圧症」でも、原因となる病気がない「本態性低血圧症」と、何らかの病気が原因になっている「二次性低血圧症」に分けられます。

■本態性低血圧症
原因となる病気がないのに血圧が低く、全身の臓器に十分な血液が行き渡らずに症状が現れる本態性低血圧症。主な症状は以下の通り。
  • だるさ、脱力感、疲れやすい
  • 頭痛、めまい、耳鳴り
  • 動悸、息切れ
  • 食欲不振、吐き気、腹痛
などが挙げられます。そもそも血圧が低くなる主な原因は、心臓から拍出される血液量の減少と末梢血管の抵抗の減少。なぜ本態性低血圧症で、これらの減少が起きるのかはまだ解明されていませんが、遺伝的な要因と神経やホルモンの異常などが絡み合っていると考えられています。しかし、血圧が低くても症状が出るのは約10%程度で、実際は症状のない人がほとんど。そのため本態性低血圧症と診断されることはあまりないようです。

■二次性低血圧症
  • 心臓の機能低下 …心不全、不整脈など
  • 脱水や貧血、栄養失調
  • ホルモンの異常  …甲状腺機能低下など
  • 薬物によるもの
上記のような病気や服薬が原因の低血圧症もあります。この場合は、低血圧症ではなく、原因となっている病気の治療や服薬の調節で対処していくことになります。



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