肩こりの原因にもなる「バッグの持ち方・掛け方」
毎日持つ通勤かばんは、なるべく軽めにしたいところですが、荷物を減らすことができないという方も多いのではないでしょうか
肩こりの原因や悪化の理由を尋ねると「毎日、書類の入った重いかばんを持つからかなぁ?」と、かばん等の荷物を原因だと疑う方が多いようです。
かばんは、ファッションの一部でもあります。デザイン重視のものから、実用性の高いものまで様々です。しかし、肩こりの方は「手ぶらが一番!」と思うかもしれませんが、なかなか手ぶらで外出というわけにはいきません。
慢性的に肩こりの方が普段よりも強い肩こり・頭痛を感じるときは、重い荷物を持ったり、肩にショルダーバッグをかけたりといったことが、やはりひとつのきっかけとなるケースがあるようです。
<目次>
肩こりを招く体の傾き・ゆがみ
なぜ、肩こりがひどくなるのでしょう?それは、かばんを持つこと自体が、姿勢を支える筋肉に影響を及ぼし、さらに首や頭の筋肉を緊張させるからです。毎日持つかばんにより筋肉の緊張状態が続くと、真っ直ぐに立った時に、体が自然と傾むいてしまうなどといった姿勢の変化が見られることもあります。また、こりの生じた肩から首にかけての筋肉に、ショルダーバッグのショルダー(ベルト)が当たり、少しでも重さが加わると、痛みを感じる神経を刺激してしまったり、さらに血行が悪くなり筋肉が硬くなったりすることもあります。
肩から掛ける「ショルダーバッグ」が原因の負担
ブルーの線は体の傾きをわかりやすく示しています
例えば、右肩にバッグをかけるクセのある人は、体のバランスをとるために右肩を上げ、左側に体を倒すような姿勢になりやすいです。肩にバッグをかけている間は、背骨の左側にある筋肉が緊張してしまいます。また、ショルダー(ベルト)のかかっている右側では、首の筋肉に負担がかかり、肩こりへとつながります。
毎日同じ側へバッグをかけていると、背中と首~肩周りの筋肉が硬くなり、真っ直ぐに立ったときに体が傾き、頭や肩の位置に左右差がでてしまうことがあります。しかし、いつも右にバッグをかけている人が左へかけ替えると、上手にバランスをとれず左側の肩こりを感じるかもしれません。慣れるまでは無理をしないようにしましょう。
肩が凝らないショルダーバッグの持ち方
- 同じ側へバッグをかけないで、なるべく交互にかけ替える
- 片側にかけた負担のバランスを整えるよう意識する
(例) 右肩にかばんをかけた時……左腕を左耳に近づけるように挙げます。そのまま右真横に体を倒し、左の脇をストレッチ(左肩にかばんをかけるクセのある人は、右脇をストレッチ) - バッグを下ろした後、「肩を3秒間すくめてから脱力」を数回繰り返し、首から肩の筋肉をリラックスさせる
ショルダーバッグの斜め掛けが原因の首の痛み
矢印の部分にコリがあった場合、ベルトが当たって痛みを生じることもあります
しかし、肩こりのひどい人にとっては、ショルダー(ベルト)の部分に肩こりの特に硬い部分が当たることで、症状が悪化したり、頭痛になることもあります。
首~肩にかけての筋肉が部分的に刺激されてしまうので、肩こりの強い人は避けたほうがよいバッグのかけかたです。
首が痛まないショルダーバッグ斜め掛けの方法
- 交互にバッグをかけ替える
- ショルダー(ベルト)が細いと筋肉に痛みが伝わりやすいので、ショルダーを幅広のものに付け替えると良い。また、肩に当たる部分にミニタオルを挟み当たりを和らげる
- 肩こりのひどい時は避ける
- バッグの中身を最小限にし、重さを軽くする
- バッグを下ろした後、「肩を3秒間すくめてから脱力」を数回繰り返し、首から肩の筋肉をリラックスさせる
利き手でバッグを持つと歪みの原因に
歩きづらくならないようにかばんの位置を調整しましょう
かばんの位置が低い場合は、姿勢を保ちにくくなり歩きづらくなります。そのまま歩くと、肩への負担が増えてしまいます。また、かばんの持つ部分が長く荷物が重い場合は、ヒジを曲げて腕の筋肉を使い、歩きやすくしたり体のバランスをとったりします。こうしておきる腕の筋肉疲労も肩こりの悪化要因となります。
買い物袋が重すぎると頭や肩の位置まで傾いてしまいます
重量が軽い場合は、頭の位置は真っ直ぐに近い状態ですが、重い場合は荷物の引き上げの際、頭の位置も傾いたままになり、首への負担がさらに強くなります。
体を歪ませないバッグの持ち方
- 利き手では無い方でも、かばんを持てるように徐々に慣らせていく
- できれば、荷物は二つにわけて両手で持つ。この時、左右の荷物が同じ位置になる方がバランスがとりやすい
- 腕を下げてかばんを持つことがつらくなったら、無理をせずかばんを体の前で抱える。(疲労で腕の力が発揮できなくなると、荷物の重さで肩が下がり、首の筋肉が引き伸ばされてしまいます)
- 坂や階段が少なければ、キャリーバッグがよい
- 腕の筋肉を指先で軽くトントン叩き、筋肉の緊張をやわらげる
肩こりの原因になるリュックを悪い背負い方
リュックは比較的、楽に感じるという人が多いですが、中には背中が張るという人もいます
大切なのは、やはり荷物の位置でしょう。荷物の位置が低くなると、重心が後ろへいくため体が反ります。それをカバーするために体が前かがみになり、頭の位置が悪くなります。結果的に肩こりをおこす筋肉の疲労を招きます。
また、荷物が偏って入っている場合は、リュックが傾きバランスがとりづらくなります。そして、姿勢が悪くなったり、片方の肩へ負荷がかかったりする可能性がでてきます。重量が重い場合、前かがみになり安定させる傾向があるため、頭の位置が前方へいきやすく、肩こりには悪影響を与えてしまいます。
肩こり悪化を防ぐリュックの背負い方
- 前かがみにならなくて済むような、荷物の位置にベルトをあわせる。重さにも注意!
- 肩にあたる部分のベルトが細いと、ひどい肩こりの人は痛くなる場合があるので、当たりのソフトで幅広いものが良い
- 腕に冷感、シビレなどを感じるようになった、腕の付け根をベルトで圧迫している可能性があるので、リュックをやめて病院へ!
- 肩回しの体操をして、肩周辺の筋肉の血行を回復させる
肩こり改善に大切なカバンの持ち方・重さの見直し
かばんはほとんどの人が毎日持ち歩くものだと思います。筋肉疲労による体のバランスの悪さは、こうした毎日のことが積み重なっておこります。そして、肩こりや頭痛、さらに背中の痛みなどへつながっていくことも多々あります。少しでも毎日が楽に過ごせるように、まずはかばんの持ち方や重さを見直してみてはいかがでしょうか。電車では網棚にかばんを置くなど、腕を使わない時間をつくることも大切です。