頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)とは
くび、肩まわり、腕などに痛みやしびれなどの不快な症状が生じる頚肩腕症候群
「頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)」は、耳慣れない方が多いかもしれませんが、実はとても身近な症候群です。
「頚肩腕症候群」は、文字通り首や肩周り、腕に症状が表れるものなのですが、症状や程度には個人差があります。パソコン作業でマウスなどを操作することが多い人に、このような症状に悩むケースが増えています。パソコンに限らず、手や腕を酷使する職業や趣味を持つ人にもみられます。自覚症状には、次のようなものがあります。
頚肩腕症候群の症状・似ている病気
- 肩こりがひどい、首、背中の筋肉が張って痛い
- 手・指がしびれる
- 手の力が入りにくい
- 腕の筋肉が重だるい、動かすと痛む
- 腕や手の冷え感
- 頭痛、めまい
日々のデスクワークが要因となる場合があります
検査の結果、頚椎椎間板ヘルニアや変形性頚椎症などの頚椎の疾患、腱鞘炎、胸郭出口症候群などの名称がつき、分類されるものもあります。疾患名がつかないその他の上記のような症状は、原因のつかめない「頚肩腕症候群」と呼ばれることが多いようです。
頚肩腕症候群の対処法・治療法
まとまった休息時間をとることで、症状がやわらぐことがあります
そのため、仕事からしばらく離れて休養すると、症状が改善される場合があります。思い切って療養できる期間を設けることが回復への近道です。
症状がひどくなると、そのつらさから精神的にも影響を受け、日常生活にも支障をきたすようになります。悪化させないためには、労働環境を見直すことも重要なのですが、残念ながら仕事内容などはそう簡単に変えられるものではないため、首や肩、腕に負担を蓄積してしまう方が多いようです。
頚肩腕症候群の不快症状の改善法
- 心身が楽に保てるようデスクワーク、パソコンワークの環境を整える
- パソコンの作業はなるべく1時間ごとに10分程度休憩をとる
- 同じ姿勢を保つことで硬くなりがちな肩甲骨周りの筋肉をほぐす
- 頭をゆっくり回して首の筋肉をストレッチする
- 1日の中で好きなことで楽しむ時間やゆったりリラックスできる時間をつくる
- 鍼灸・マッサージ院などで筋肉の緊張を緩和させる
頚肩腕症候群の予防と緩和に効果的な腕のストレッチ
デスクワークやパソコン作業が続くと、首に負担をかけない姿勢を保つことが難しくなります。その結果、肩こりをはじめ腕、手につながる神経、血流に問題を起こしやすくなります。首や肩周辺の筋肉をストレッチすることに注目しがちですが、それだけではなく、いつのまにか疲労している腕の筋肉にも刺激をいれてあげることが大切です。腕の筋肉の疲労度合いで、肩のこり方が変わってくるため、腕のストレッチはぜひ試していただきたいです。
1.ゆっくりと手首を手前へ
(曲げられるところまで)曲げたまま5~10秒間キープさせます。つりそうな人は短めに。この時、手首を曲げた反対側の腕の筋肉が伸ばされます。
2.右手首を先ほどと反対側へ
「1」とは反対側の腕の筋肉が伸ばされます。5~10秒間ほどキープしましょう。
3.同様に左手首も行います
(最初は筋肉が硬くて痛く感じるかもしれませんので、無理はしないように。)
「1」~「3」を数回繰り返してみましょう。
肩こりがひどい場合、ストレッチをする際の注意事項
肩こりがひどい人や手を使う職業の人は、腕の筋肉が予想以上に硬くて伸びにくくなっている可能性があります。急激にストレッチを加えると痛めるかもしれませんので、手首を曲げながら、腕の筋肉の硬さや痛さを確認しつつ加減して行ってください。また、肩こりや腕の筋肉の張りなどには、運動が良いと言われますが、症状が強い場合は、筋力アップのトレーニングをすると、かえって症状が悪化することがありますので、回復するまではご注意くださいね。