浴室・お風呂リフォームにかかる費用はいくら?
一般的なリフォームにおいて、プランをあれこれ考えて、家族をリードするのは奥様が多いようですが、その中でもご主人がこだわりをもって意見を主張する部分が「浴室」です。やはり仕事で疲れた体と心をリフレッシュしたいという気持ちが強いのでしょうか。そこで今回は「よくあるリフォームの価格実例」として、浴室リフォームを取り上げます。実際の事例を参考に、皆さんのリフォームの予算計画に役立ててみてください。
【INDEX】
・75,600円:在来浴室の床にクッションシートを貼る
・322,110円:在来浴室の浴槽を交換する
・1,311,660円:在来浴室から保温性の良いユニットバスへ
・1,234,008円:マンションの浴室と給湯器を一緒に施工
75,600円:在来浴室の床にクッションシートを貼る
床にクッション性のあるシートを貼るだけで床面の冷たさを緩和し、転倒時のケガのリスクも削減できるのです。(画像提供:東リ株式会社)
そこで思いついたのが浴室床に施工する浴室用シートです。浴室全体が見違えるというほどではありませんが、転倒した際でもクッション性のあるシートが衝撃を和らげてくれる上、膝をついてもさほど痛くありません。
無事に工事は1日で完了し、お母様も安心して入浴できるようになりました。床面のヒヤッと感も和らぎ、家族にもなかなかの評判のようです。
【Aさんのリフォーム費用】 75,600円
※工事費には材料費の他、タイル下地補修工事、諸経費を含む。
介護改修としても採用できる浴室用シート
浴室用シートはDIYでも施工できることからネット通販などでも部材が販売されていますが、介護保険が適用となるご家庭では介護改修費用の補助が受けられることから、非常に喜ばれるバリアフリーリフォームの一つとして挙げられます。介護保険を活用する時には事前申請が絶対条件になりますので、ケアマネージャーなどとしっかり打ち合わせしておきましょう。
【浴室用シートリフォームの概算費用相場】 4万~8万円程度
※既存床の部分的な補修工事、廃材処分費、諸経費含む。
※DIYならば材料費のみ(1~2万円程度)
322,110円:在来浴室の浴槽を交換する
浴槽を交換するだけという工事も十分リフォームプランの選択肢です。浴槽のバリエーションも多彩です。(画像提供:株式会社LIXIL)
すぐにでも浴室をリフォームしたいところなのですが、現在別居中のご両親ともいずれ同居する可能性が少なからずあり、その時にじっくりとプランを考えたいBさんは大掛かりな工事になることにためらいを感じていました。
そこで近くの設備工事業者に相談したところ、浴槽だけを交換してみたらどうかと提案され、早速工事を依頼しました。在来浴室のため、浴槽の周囲はタイル仕上げになっており、古い浴槽を取り外すと周辺のタイルやコンクリートのあちこちにも亀裂が入っていました。
今回の工事では下地補修についてもあらかじめ見積ってあったため、当初の見積り金額通りの工事となりました。Bさんは今後のリフォーム計画についても業者と話すことが出来て、少しだけ気持ちが軽くなった気がしました。
【Bさんのリフォーム費用】
材料費179,550円+工事費142,560円=322,110円
※工事費には廃材処分費、諸経費を含む。
部分的に問題解決を図るのもリフォームならでは
浴室リフォームと聞くと、ユニットバスを設置するように思う方も多いのですが、給湯器が故障したら交換するように、浴槽も壊れたら交換するという方法もあります。今回のBさんのように、将来の大掛かりなリフォームに備えて必要最小限の交換で対応する事例は決して珍しくありません。浴槽そのものは10万円を切るものから、サイズも大きく高級感のある数十万円以上のものもあります。自らが考えるリフォームのTPOに合わせて設備を選ぶことも可能です。
【浴槽交換の概算費用相場】 20万~50万円程度
※在来浴槽周囲タイル補修、循環金具交換・接続工事、廃材処分費、諸経費含む。
1,311,600円:在来浴室から保温性の高いユニットバスへ
Cさん(60代女性)は築23年になる住まいのリフォームを検討していました。お掃除がしづらく落とせない汚れが目立つようになり、その上冬の寒さがとてもつらく感じるようになり、以前から考えていた保温性の高いユニットバスを今回リフォームで導入しようと思っていたのです。リフォーム業者との打ち合わせの結果、現在の浴室が1坪(幅1,800mm×奥行き1,800mm)であることから、1616もしくは1717サイズでの機種選定を提案されました。早速カタログを見せてもらいましたが、念願のユニットバス工事であることから、Cさんはショールームに行ってオプションの一つ一つに至るまでじっくりと検討を重ねました。
最終的に見積り金額は130万円近くになりましたが、温かい浴室を待ち望んでいたCさんはワクワクしています。ユニットバスは受注生産とのことで、発注後約2~3週間待たなくてはなりませんが、その間も毎日のようにカタログを見つめてはリフォームの日を心待ちにしていました。
工事契約から約1ヵ月後、リフォームは無事終わり、現在ではお風呂のひと時が待ち遠しいほどです。もっと早くリフォームすれば良かったな、湯船につかりながら笑顔がこぼれてしまうCさんなのでした。
【Cさんのリフォーム費用】
材料費845,640円+工事費466,020円=1,311,660円
※浴室サイズ1717(1坪ワイドサイズ)。工事費には浴室暖房乾燥機設置工事、電気工事、給排水接続工事、廃材処分費、現場管理費・諸経費を含む。
サイズ、ランク、オプションで費用に大きな差
間取りを変えずに在来浴室をユニットバスにリフォームするのであれば、サイズの決定が最も重要な要素になり、商品グレードや豊富なオプションの有無によって費用が増減します。また、築年数が古いほど亀裂や漏水、シロアリ被害などによる建物構造部の傷みが想定されるため、補修費用が追加される可能性が高いため、業者から見積り書をもらう際にはこういった施工についても十分に検討しておく必要があります。また、工期は1週間前後ですが、この間お風呂の利用が制限されるので、事前にリフォーム業者と日程についてよく打ち合わせをしておくようにしましょう。
【在来浴室からユニットバスへの概算費用相場】 100万~180万円程度
※1坪サイズ、補修工事、給排水接続工事、電気工事、廃材処分費、現場管理費・諸経費含む。
1,234,008円:マンションの浴室と給湯器を一緒に施工
マンションリフォームでは専有部を最大限活かせる計画を立てるようにしましょう。(画像提供:TOTO株式会社)
マンションでは管理規約に従ってリフォームする必要があり、マンション躯体(壁や梁など)を壊すことができません。そこで現在の浴室サイズに対応したマンション向けのユニットバス(1117サイズ)で施工することにしました。
当初Dさんは給湯器の交換までは考えていませんでしたが、リフォーム業者に調べてもらったところ、すでに10年以上経過している機種だったため、耐用年数を考慮して取り替えることにしました。また、給湯器の交換に併せて給湯管も新規のものに取替えてもらうことにしたため、追加費用として約27万円ほどかかりましたが、Cさんのお住まいの浴室は全くもって新しいバスルームへとリフォームされることになりました。
【Dさんのリフォーム費用】
材料費867,888円+工事費366,120円=1,234,008円
※浴室サイズ1117。工事費にはガス工事、電気工事、給排水接続工事、廃材処分費、現場管理費・諸経費を含む。
給湯器や洗面脱衣室も一緒に施工する場合も多い
今回のDさんのように浴室だけの工事を検討していても、住まいの状況などから給湯器や給湯管の交換、隣接する洗面脱衣室のリフォームも同時に施工する場合があります。工事が始まってからでも追加工事という形で依頼することもできますが、必要な施工部材が不足したりして工期が延びてしまったり、費用がかさんでしまったりすることもあるので、可能な限り工事見積りの段階で関連する工事などを盛り込んでもらう方が無難です。
【マンション浴室リフォームの概算費用相場】90万~160万円程度
※0.75坪サイズを想定。給排水接続工事、電気工事、廃材処分費、現場管理費・諸経費を含む。
※ガス給湯器を交換する場合、プラス20万~30万円程度。
「よくあるリフォームの価格実例」シリーズ
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