狭心症や心筋梗塞の原因
急性心筋梗塞では心臓の筋肉が死んでしまいます
狭心症が重くなったり、冠動脈の中の脂肪の袋が破れて血栓ができ血管が詰まってしまったりすると、心臓の筋肉が死んでしまいます。これが心筋梗塞で、強い痛みを長時間伴うことが多い病気です。
心筋梗塞が起こってしまうと、その大きさや状態によって、不整脈や心不全、心臓破裂や心臓内部に穴が開いたり弁の逆流などが起こります。これらの症状は命を落とす危険が大きくなるため、心筋梗塞はとても怖い病気なのです。日本の死亡原因の上位を常に占める国民病でもあります。
狭心症や心筋梗塞の5大リスクファクター
冠動脈リスクファクターにご注意を! そのままにしておくと、いずれ狭心症や心筋梗塞になるかも知れません
- 糖尿病
- 高血圧
- 高脂血症 (コレステロールや中性脂肪などが高い)
- 喫煙 (禁煙した方がよいが、過去の喫煙経験もリスクになる)
- 家族歴 (血縁に心筋梗塞などの患者がいる)
上記に1つでも当てはまるものがあれば、将来冠動脈疾患になるリスクが高いので、注意が必要。
インシュリン注射が必要な糖尿病ではとくに動脈硬化や狭心症の悪化にご注意を
かつては頻繁に尿糖や血糖を調べましたが、現在はA1cヘモグロビンという血液検査で、最近1カ月の血糖値の平均を知ることができます。これを活用してしっかりと血糖値をコントロールしましょう。
高脂血症については、悪玉コレステロールが高いのはもちろんよくありませんが、善玉コレステロールが少ない場合も要注意。
いずれのリスクファクターも冠動脈の動脈硬化を悪化させたり冠動脈内の脂肪の袋を作ってしまうという意味では同じです。
それ以外の注意すべきリスクファクター
多くの人が該当する「メタボリック症候群」もいずれ危険な状態につながるリスクが……
- 慢性腎不全・血液透析
- 高度の肥満
- 過労やストレス
- 下肢や頸その他の動脈硬化
- 痛風 (足の親指の付け根が腫れて激痛が起こる)
- 高尿酸血症
特に腎不全・血液透析の方はキメ細かい全身のケアが大切です。また、肥満は高血圧・高血糖(糖尿病)・高脂血症と併せてメタボリック症候群(メタボリックシンドローム)という大きなリスクになります。いずれも冠動脈の動脈硬化を進行させ狭心症や心筋梗塞を起こしやすくするのです。
冠動脈疾患の予防・治療……努力が報われやすい病気
第一に健康管理。予防効果も早期発見による治療効果も高い病気なのです
上記に挙げたリスクファクターを一つひとつ入念に予防したり、治療したりいけば、冠動脈疾患はそれだけ防ぎやすくなります。例え冠動脈が狭くなっていても有効な治療法がありますので、その意味で早期発見の努力が報われやすい病気とも言えます。上手に自己管理をして、予防効果と治療効果に期待しましょう。
■参考サイト
心臓外科手術情報WEBの虚血性心疾患のページ