歯周病/歯周病(歯槽膿漏)の原因・症状

歯周病の症状と進行度

歯周病(歯槽膿漏)は、痛みもなく進行することも多いため、なるべく初期の段階で治療してしまうことが大切になってきます。症状をみて進行度をある程度把握しておくことが大切です。

丸山 和弘

執筆者:丸山 和弘

歯科医 / 歯の健康ガイド

歯周病は一夜にして、歯がぐらつくなどの末期症状が出るのではなく、初期や中期の段階でも、僅かなサインがあります。末期の段階で慌てて何とか歯を残したいと思う前に、できるだけ早期の段階でのサインを見逃さないようにすることが大切です。歯周病を初期~中期~末期という3段階に分けて判りやすく解説します。

歯周病の進行度と症状

■歯周病の初期
歯周病の初期
初期は、歯石を取れば、ほぼ完治
 
 <症状>
歯茎に歯ブラシをしっかり当て、ゆっくり動かすと、出血することがある。歯磨きを1回でも忘れると、歯がうずいたり、歯茎が腫れぼったく感じることがあるなどが特徴、一般に初期の段階では、無症状なことが多い。

 <内部の状態>
歯の周囲の歯茎に隠れてしまう場所に歯石などが付着し始めている。歯を固定している骨のダメージはほとんどない。歯石を取り歯磨きをしっかり行なえば改善する。

■歯周病の中期
中期の歯周病
中期は、歯石を取ると歯茎がやや下がるのが正常

 <症状>
水がしみるようになり、歯磨きすると歯茎から出血する。歯茎がときどき腫れたり、治ったりを繰り返す。歯茎を押すと膿が出る。歯茎から臭いがする。初期の段階から数年経過すると見られることが多い。

 <内部の状態>
初期よりも歯の周囲の深い場所に、内部に歯石などが付着している。歯にぐらつきは無いものの、周囲の骨も溶け始めている。歯と歯茎の溝が深くなり歯磨きだけでは、汚れが取れないため、進行が止まりにくい。
 
■歯周病の末期
末期の歯周病
末期は、単独の歯では機能しないため、他の歯との連結の可能性も。

 <症状>歯をかみ合わせるだけで、ぐらつく。歯の周囲を指で押すと白い膿が歯の周囲からにじみ出てくる。痛みが出ないこともある。歯磨きの際、毎回のように出血する。
 
 <内部の状態>
歯の根の先の奥深い部分まで、歯石の付着している。歯茎が歯を固定せず剥がれている状態。歯を支える骨も溶けてしまっている。

歯周病は、進行するにしたがって歯を支える骨が溶けてしまう特長があります。さらに一度溶けて下がってしまった骨は、基本的に元の位置に戻ることはありません。治療が完治しても下がった場所で止めるのが精一杯で、治療を行わなければ、どんどん進行してしまうのです。

末期になると、最初は1本だけがぐらつくだけであっても、短期間のうちに次々ぐらついてくることがあります。これは根の長さの短い歯が、先にダメになり、根の長さの順にしたがって、ぐらついてくることがあるからです。

そのため歯を守るためには、歯周病を常に早い段階で予防や治療を行うことが大切となってきます。では続けて、歯周病の治療法について、解説していきます。

3.歯周病の治療法 >>

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