入れ歯の種類……総入れ歯・部分入れ歯
入れ歯と言っても種類は様々ですが、大きく「総入れ歯」と「部分入れ歯」の2種類に分けられます
保険適応内の入れ歯の特徴・費用の目安
入れ歯は主に人工の歯、歯ぐき、固定金具の「バネ」の3つからできています
部分入れ歯の場合は、「クラスプ」と呼ばれる金具(バネ)を、残っている歯の部分に巻き付けるようにして取り付けます。
針金のようなクラスプは、一つの入れ歯に2~4本あり、入れ歯が浮き上がって外れないよう固定する役目がありますす。入れ歯にかかる費用は、部分入れ歯の場合、5,000~14,000円程度。総入れ歯の場合、10,000~15,000円程度です。(いずれも概算、3割負担での支払い金、個数1の場合)
保険内の入れ歯は、審美性や耐久性よりもコスト重視。そのため様々な入れ歯の中でも最もシンプルです。また、保険で入れ歯を作った場合、一度作ると6ヶ月経過しないと病院を変えたとしても次の入れ歯の作り直しはできないいわゆる「6ヶ月ルール」が存在します。
自費で作る保険外の入れ歯の特徴・メリット・デメリット
コスト重視の保険内入れ歯に対して、自費の入れ歯はコストよりも機能、審美性、耐久性を重視しています。そのため様々な要求に応えることができますが、自費の入れ歯は値段に幅があるのも特徴で、150,000円~300,000円程度が多いようです。この金額に、組み込む装置の値段が加わる感じになります。保険の利かない主な入れ歯は以下の通り。
■金属床の入れ歯
違和感が少なくなるように上あごの内側を金属に置き換えることが多い
入れ歯の一部を薄い金属(チタン、金、ニッケルクロム、コバルトクロムなどの合金)で作るため樹脂よりも薄く違和感が最小限で、耐久性があり、清潔で維持しやすいことが特徴。総入れ歯や、部分入れ歯など様々な入れ歯に使われます。デメリットは金属アレルギーがある場合には使えないこと。金属が破損すると修理が困難なことです。
■インプラント併用入れ歯
インプラントをあごの骨に数本埋め込み、その上に入れ歯を固定する装置を取り付け、入れ歯をガッチリと固定する方法。デメリットは自分の歯と同じようにメンテナンスが必要なこと。手術が必要で費用が高額になりやすいです。
■アタッチメントタイプの入れ歯
歯と入れ歯を固定する部分に小さくて精密な部品を使用し、クラスプと呼ばれる歯に巻き付ける針金状のものを使用しない方法。 デメリットは自分の歯に装置の一部を取り付けたり、被せたりしなくてはならない点。装置も若干高価。
■ノンクラスプデンチャー入れ歯
弾力性のある入れ歯で、金属バネを使用せずに入れ歯が固定できるのが特徴。バネがないので見た目が良く違和感が少ないです。デメリットは2~3年程度で作り直さなければならなかったり、修理が難しい場合があること。全ての入れ歯の形には対応していません。
■コーヌスクローネの入れ歯
入れ歯と差し歯が一緒になっている感じ。穴に歯が入り込み固定されるためバネが全く見えない
歯に巻き付ける「バネ」の代わりに、自分の歯を被せもので突起上にし、さらに入れ歯に取り付けた被せものが突起に被さるようにして入れ歯を固定する方法。デメリットは土台の歯を削らなくてはいけないこと。作るのにかなり高度な技術が必要で、費用も高価です。
■マグネット式の入れ歯
入れ歯側にマグネットを取り付け、歯の根の上においた金属に磁力で吸着をさせる方法。デメリットは対応する歯がないと使用できない点。MRIなどの撮影で問題になる場合も。しかしマグネットは入れ歯側にあるのが普通なので、MRIで問題になる場合は入れ歯を外せばOKです。
自費入れ歯を作る前の注意点
入れ歯は、歯のない部分に新しい歯を生み出す治療法。虫歯治療よりもさらに職人芸的な要素が高くなります。価格が高いか安いかではなく、作る側の技術が実はとても重要なのです。もし作る側の技術がしっかりしていなければ、どちらを作っても同じような結果になってしまうでしょう。作り手がしっかりとした知識と技術がを持っていれば、コストを抑えた保険内の入れ歯ではできないような細やかな部分まで作りこまれた入れ歯を作ることができます。
自費の入れ歯を頼んで大丈夫かの判断は、元々その歯科に通っている場合は、それまでの治療の満足度から考えてみましょう。その他、できれば周りの方の口コミなども参考にして、十分検討されることをオススメします。
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