認知症の改善には、「薬」と「刺激」が必要

症状を悪化させないためにも、新たなことに挑戦し続けることは大切です

症状を悪化させないためにも、新たなことに挑戦し続けることは有効

認知症の原因はさまざまですが、甲状腺ホルモンの低下や、ビタミンB1不足が原因と分かった場合、それらを改善することで認知症は治療できます。

それ以外の原因が特定できない認知症の場合は、現在の医療では完全な治療は難しいのが現状で、認知症患者全員に効果がある治療法は見つかっていません。

一つだけ分かっているのは、認知症だからと言って「何もさせないこと」が一番よくないということ。これは予防にも同じことが言えます。

身体の筋肉が使わないと衰えるのと同じように、脳への刺激がなくなると脳機能はさらに低下してしまいます。脳への刺激を与え続けることがなによりも大事なのです。現在有効とされている内服治療と、簡単にできる脳への刺激の与え方をご紹介します。

認知症治療のための内服薬

最近、開発された内服薬『ドネペジル(商品名:アリセプト)』は、認知症の症状を遅らせることができる治療結果が出ています。

認知症の症状には、病的な物忘れ以外に、不眠やうつ状態、怒りっぽくなる、幻覚、被害妄想などがあります。これらの症状は日常生活に大きな影響を及ぼしてしまうので、睡眠薬や精神安定剤などそれぞれの症状に応じた内服治療を行います。

認知症予防・治療に役立つ「動物の世話」

アパート住まいなどで制約がある場合は難しいのですが、動物を世話することは脳にとって非常によい影響を与えると分かっています。動物を飼うことによる責任感や必要とされる気持ちが脳への刺激になるだけでなく、脳機能に悪影響を及ぼすストレスや孤独感を和らげてくれる点でも有効です。

また、動物を連れて散歩をすることで身体を動かすことが多くなる上に、動物を介して色々な人に声を掛けられることが多くなるなど、一人暮らしではなかなかできない会話をする機会や、人と出会う機会が増えます。開放的で交流の多い生活は、脳機能を活性してくれる点でも大きなものです。

認知症予防・治療に役立つ「園芸」

動物を世話することと同様、園芸や農作業もほどよく脳を刺激してくれる作業。天気を判断し、適切な肥料を選び、効率的な栽培方法を考えたりするこでは、日常生活に必要な判断力、決断力、創造力をまんべんなく使うことができます。農作業を夫婦や仲間たちで行えばコミュニケーションをする機会が増え、より活動的な日常を送ることができるのも魅力です。

農作物を育てるという共通の目的ができれば、達成感や充実感を得ることができるため、認知症による抑うつ気分を解消することにも有効です。

できあがった農作物は自分で調理を。料理することも脳のトレーニングになり、野菜からは認知症予防に有効なビタミン類をしっかり摂取することができます。料理では火や包丁を使う分、危険も伴うので、不安のある人は必ず家族や友人の方にサポートしてもらうようにしましょう。

認知症予防・治療に役立つ「読み・書き・そろばん」

「読み・書き・そろばん」は子供向けの教育でなく、高齢者にも有効です。認知症になると高度な行動をコントロールする「前頭葉」の機能が低下しますが、「読み・書き・そろばん」はその前頭葉の機能を改善する効果があるのです。「本を音読し、書き取ること」「簡単な計算をすること」は、手軽にできて前頭葉の機能を活性化してくれます。

このように日常生活にできる範囲での刺激を取り入れることで、認知症を改善することが可能です。今日できるものから、さっそくチャレンジしてみてください。
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