ホルモンバランスの崩れ……女性ホルモンの乱れは整えられる?
「ホルモンバランスの崩れ」を指摘された場合、どのような対処法があるのでしょうか?
月経周期や妊娠をコントロールする大切な役割を持つ女性ホルモン。「女性ホルモンが減るとどうなる?出る症状・心身への影響」でも詳しくご紹介しましたが、婦人科で「ホルモンバランスが崩れていますね」と言われたことがある人も多いのではないでしょうか。
ホルモンバランスの崩れとは、正確には「女性ホルモンの分泌バランスの崩れ」を指します。分泌バランスが崩れる原因と、具体的な整え方について解説します。
女性ホルモンのバランスが崩れる理由……ストレス・ダイエット・更年期など
女性ホルモンの分泌バランスが崩れる大きな原因は以下の2つ。■ストレスやダイエットによるバランスの崩れ
女性ホルモンを分泌させる司令塔である視床下部は、同時に自律神経もコントロールしているため、ストレスの影響を強く受けてしまいます。この仕組みは非常に微妙で繊細。自分では意識できないレベルのストレスでも、敏感に反応してしまうことがあります。
わかりやすい例が、「生理がくるはずだったのに旅行中は来なかった」というケース。旅行という楽しみなイベントが体にとっては知らず知らずストレスになり、月経周期に影響を及ぼす一例です。女性のホルモンバランスはとても繊細。些細なことにでも影響されてしまうので、ストレスやダイエットによりバランスが乱れてしまうことはよくあります。
■ 更年期、思春期など時期によるバランスの崩れ
女性の一生には、女性ホルモンが大きく乱れる時期が2回あります。1回目は思春期、2回目は更年期です。
思春期は体がまだホルモンバランスをうまく一定化できないため、月経周期も乱れがち。更年期は卵巣からの女性ホルモン分泌量が減るため、体がそれまでのテンポを守れずに混乱してしまいます。更年期でイライラ、めまい、ほてりなどの不定愁訴が現れるのは、少なくなった女性ホルモンを察知して脳の司令塔である視床下部が頑張りすぎてしまい、自律神経のコンロトールがうまくいかなくなるからとも考えられています。
女性ホルモンの乱れを治すには? 分泌バランスを整える方法
女性ホルモンのバランスが崩れるのは、不規則な生活や睡眠不足、過度なダイエットなど。女性ホルモン分泌の仕組みは繊細なので、日常生活をできる限り規則正しく整えることが第一です。不規則な生活を自覚している場合は、何よりもバランスの取れた食事、規則正しい生活、睡眠を心がけるようにしましょう。とくに月経前は女性ホルモンが一気に少なくなるため、体が変化に対応しきれず「月経前症候群(PMS)」を起こしてしまうことも。PMS対策として、有酸素運動が効果的と言われています。目安としては1週間に少なくとも3回くらい30~60分の有酸素運動をするのがオススメ。週の半ばに1回、週末に1~2回ジョギングをしたり、スポーツジムで水泳などを行うのは効果的と考えられます。運動といっても身構える必要はなく、最初は天気のいい日に1時間くらい散歩をしてみる程度でもよいのです。
食生活のバランスも大切ですが、女性ホルモンに似た働きを持つイソフラボンを豊富に含む大豆を効果的に摂取するのも有効。2003年、厚生労働省研究班が「お味噌汁を一日3杯以上飲むと乳がんの発生率が40%も下がる」というニュースを発表しましたが、これも大豆に含まれるイソフラボンによる効果と考えられています。
イソフラボンは大豆に含まれるポリフェノール(フラボノイド)の一種のことで、「植物由来のエストロゲン」とも言われます。体内でエストロゲンと似た作用を持つので、閉経後の女性(=エストロゲン分泌が少なくなった状態)の骨粗鬆症や更年期障害、抗酸化作用を通じて動脈硬化予防などに効果があると言われています。つまり、女性ホルモンを整える作用を期待できるということ。
ただし、摂り過ぎには注意が必要。具体的な摂取量等は「大豆製品と乳酸菌で乳がんが予防できる?」をあわせてご確認ください。
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