生涯で大きく変動する女性ホルモンの分泌量

女性ホルモンの変化

一生を通じて変化する女性ホルモンの分泌量


女性ホルモンの分泌量は同じ月内でも月経前後で変動しますが、一生を通じても大きく変化します。上のグラフは、横軸で年齢、縦軸で女性ホルモンの分泌量を簡単に示したものです。

女性ホルモンの分泌量から、女性のライフサイクルは大きく3~4ブロックに分けることができます。それぞれの時期に起こりやすい不調と注意すべき病気について知り、健康管理に役立てましょう。

1.思春期 10代~20代前半
女性ホルモンの分泌量がだんだん多くなっていきますが、まだ不安定な時期です。この時期に多い悩みは
  • 月経異常(量が多い、少ない、期間が長い、短い、無月経など)
  • PMS(月経前症候群)(詳しくは「あなたも月経前症候群?」をご覧ください)
などです。これらの悩みの多くは、子宮がまだ発育しきっていなかったり、女性ホルモンが安定しないことで起こると考えるとわかりやすいでしょう。10代の頃はひどい生理痛があったのに、20代後半になったら楽になってきたという経験がある方は多いものです。

2. 成熟期 20代後半~40代前半
女性ホルモンの量も安定してきて、月経も規則的になります。妊娠・出産を含めた家族計画を考えることが多い世代です。それと同時に、「エストロゲン依存性」といわれる女性特有の病気を頭のどこかに入れておいた方がよい年代です。具体的には、子宮筋腫、子宮内膜症、乳がんなどが挙げられます。

時期的には女性ホルモンが安定している世代のはずなのに、だんだん月経痛がひどくなるような場合、その原因を一度考えたほうが良いでしょう。 

3. 更年期 40代後半~50代
女性ホルモンの量が一気に減る時期で、これにより様々な症状が起こります。更年期障害は、50歳くらいになって卵巣の機能が衰えることで、体の中の卵胞ホルモン(エストロゲン)が減ることによって起こります。閉経が近づくと卵巣からの女性ホルモン(エストロゲン)の量が減りますが、体はけなげに、この変化に何とかついてゆこうと頑張り、脳は 「エストロゲンを出しなさい」という指令を出し続けます。しかし、そもそもの卵巣の機能が衰えているので、頑張ってもエストロゲンは増えません。

すると、この過程でからだが混乱してしまいます。特に女性ホルモンの脳の司令塔である視床下部は自律神経のコントロールにも関わっているので、いわゆる「自律神経失調状態」の症状が強く出るといわれています。この時期に現れる症状が、一般的に「更年期障害」と呼ばれているものです。主なものとしては、イライラ、めまい、ほてり、のぼせ、動悸、息切れ、汗をかきやすい、不眠、情緒不安定などです。

また、引き続き女性特有の病気、特にがんに対する注意も必要です。さらに、いわゆる生活習慣病も気をつけないといけない世代と言えます。

4. 閉経後
女性ホルモンの量が減ることによって、

・骨粗鬆症(女性ホルモンは骨量を保つ働きがある)
・脳梗塞、心筋梗塞など血管の病気のリスクの増加(女性ホルモンは血中の脂質を下げる働きがある)
・アルツハイマー病(女性ホルモンとの関係がいわれている)
・萎縮性膣炎(膣の粘膜が萎縮して膣が弱くなり、すぐ出血したりひりひりしたりする)

などの症状が起こるため、
この年代も上記の病気を念頭においた健康管理に意識を向けることが大切です。

以上、今回は女性ホルモンの分泌量の変化から見た、一生を通じての女性の変化について解説しました。自分がどのあたりにいるかを把握し、日々の健康管理の参考にしていただければと思います。
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