月経と月経周期
女性として、自分のからだのことは知っておきたいもの。月経や月経周期について、ちゃんと説明できますか?
女性の身体の中では1ヶ月でダイナミックな変化が起こっています。そもそも子宮の内側は、その名の通り、子宮内膜で内張りされています。イメージがつきにくいかもしれませんが、子宮内膜とは血管や分泌腺をたくさん含んだ組織のこと。卵子と精子が受精して赤ちゃんができた場合に、ふかふかのベットになる部分です。
月経の周期に応じて子宮内膜はだんだんと厚くなりますが、受精が起こらなけば、古くなった子宮内膜に栄養を送っていた血管は収縮し、血液がいかなくなることで自然と剥がれ落ち、膣を通って外へ排出されます。これが「月経」。体の組織の一部なので、出血しながら剥がれ落ちるわけです。
剥がれ落ちた子宮内膜の下の部分には、また新たな子宮内膜を再生させる層が残っています。こうやって1ヶ月ごとに新たに子宮内膜が再生され、剥離し、また再生されるということが繰り返されます。
月経が起こる仕組み
毎月規則的に繰り返される月経周期。その裏で起こっている各ホルモンの働きは、かなり複雑です
月経を直接コントロールしているのは女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロン。卵巣の中で卵胞とよばれる女性側の赤ちゃんのもとが育ってくると、エストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌され始め、エストロゲンの働きで子宮の内側を覆う子宮内膜は厚くなります。次の月経が始まる大体2週間前になると、成熟した卵胞からは卵が飛び出し(排卵)、卵は子宮に運ばれます。卵が精子と受精した場合、受精卵は約1週間をかけて子宮に運ばれていきます。
一方、卵を排出した卵胞は、黄体という脂肪の多い組織に変化し、プロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌することでさらに子宮内膜を厚くして、受精した場合に備えて子宮内膜を厚くすることで受精卵の着床の準備を整えます。何も起こらない場合は、必要のない子宮内膜は出血を伴って剥がれ落ち、月経となります。
少しややこしい話になりますが、月経をコントロールしているのは女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)だけではありません。女性ホルモンの分泌は脳の中の下垂体でつくられる黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンによって、さらに細かい調節を受けています。毎月大体同じ時期にやってくる月経のしくみは、実はかなり複雑なのです。
次の月経予定日の計算法
月経が始まった日から次の月経が始まる前の日までの「月経周期」は大体30日前後。単純に考えれば、前の月経の始まった日に31日を足せば、次の月経予定日の目安をつけられます。しかし、月経周期は人によって個人差があり、25日~35日くらいの幅があります。一般的に思春期の間は周期や月経の日数も安定せず、成熟してくるにしたがって安定し、更年期になるとまた不安定になる傾向があるようです。自分の月経周期を知っておくのは、月経予定日を予測する上でも大切ですが、より正確な予測をしたい人は基礎体温をつけるのがおすすめ。月経周期には幅がありますが、ほとんどの人が月経の大体14日前に排卵日を迎えます。多少前後することがあり、これも絶対とは言えませんが、一般的には基礎体温表で低温期の最終日が排卵日といわれています。成熟した女性のからだの中では1ヶ月に1回排卵があるので、排卵日のあたりをつけることでその2週間後が月経予定日、ということが割り出せるのです。