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NZ産キウイフルーツが安全でおいしいわけ

今からニュージーランド産のキウイフルーツが出回る時期。ニュージーランドで産地を訪問し、日本に届くまでのプロセスを見てきましたのでレポートします。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

前回、キウイフルーツの栄養についてご紹介しました。今はニュージーランド産のキウイフルーツが出回る時期です。私は、4月初旬にニュージーランドで産地を訪問しました。近年海外からの輸入食品の安全性については不安になるような話題も多いのですが、ニュージーランドのキウイフルーツは、どのように作られ食卓まで運ばれているのかについて見聞きしてきたことを皆さんにお伝えしたいと思います。

キウイフルーツになったのはいつ?

キウイフルーツは、様々な原種を交雑配種して、現在のようなおいしい品種ができました。

キウイフルーツは、様々な原種を交雑配種して、現在のようなおいしい品種ができました。

キウイフルーツは、マタタビ科マタタビ属のつる性の植物で、原産地は中国の揚子江流域とされ、もともとは「チャイニーズ ・ グーズベリー」と呼ばれていました。日本でも在来種にマタタビ属のサルナシという近縁種があります。

現在キウイフルーツの最大の産地はイタリア、次いでニュージラーンドや中国が主流で、他にもチリや日本でも少量ですが栽培されています。

ニュージーランドでは、1904年に中国からキウイフルーツの原種が持ち込まれ、生育環境が適したことから、品種改良されて1928年にヘイワード種が誕生。

1950年代に、イギリスに初めて輸出される際に、ニュージーランド産らしい名前にしようということで「キウイフルーツ」という名前がつけられたのです。

私たちが知っている以上に、個性豊かなキウイフルーツの品種があります。

私たちが知っている以上に、個性豊かなキウイフルーツの品種があります。

ニュージーランドでは、キウイフルーツに関して最大規模の研究機関である農業園芸試験所Plant & Food Researchでお話を伺いました。こちらの研究所では、キウイフルーツの原種が60種もあり、そのうち中国の原種が55種、日本の原種が5種類あります。

様々な原種を見せていただきましたが、大小サイズもさまざま、長く白い産毛に覆われたもの、産毛のないもの、果肉はグリーンやゴールドを初め黄色系、赤系、オレンジ系、もちろん風味もトマトのようなもの、ベリー風味、渋いものなど、それぞれに個性的でした。

こうした原種を交配して、形、大きさ、風味等のよさを引き出し、今のようなキウイフルーツに改良されてきたそうです。

1つの品種を完成させるには、最低でも約10年はかかり、また風味や形、大きさ、産業性があるのかどうかなど様々な評価を受け、クリアするのはなんと25haの畑75,000本の中からたった1本の確率。その成果の1つがゼスプリゴールドという品種で、商品化までには20年もの歳月が費やされたそうです。

キウイフルーツに限らず、私たちが日々簡単に口にしている食べものは、気の遠くなるような時間や人の手間を経ていることの重さを感じました。

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