チョコレートのカカオポリフェノールに様々な健康に役立つ作用があることなども知られ、チョコレートは人気のスイーツ。海外の有名パティシィエが作る高級チョコレートから、和風、ビールや焼酎入り、醤油やピリ辛味、茶目っ気たっぷりのチョコレートまで様々な種類があります。でも実は、甘いチョコレートの背景には、ほろ苦い現実があるのです。

健康への効用が話題のチョコレート

チョコレート
バレンタインデーで贈るチョコレート。あなたはどんなチョコレートを選びますか?

チョコレートは、誰もがその甘い魅力にひきつけられますが、近年は健康に有効な成分が含まれているということからも注目され、機能性商品などは売れ行きが伸びているようです。

そもそもチョコレートの原産地、中央アメリカでは、紀元前から「神様の食べもの」と呼ばれ王侯や貴族などの支配者層だけが「滋養強壮剤」として飲んでいたそうです。

近年になってチョコレートや、チョコレートに含まれているカカオポリフェノールには、活性酸素を除去する抗酸化成分が含まれることから動脈硬化の予防やアレルギー症状の緩和、血行促進、リラックスや集中力向上など、健康に関わる作用があるという報告が数多く発表されています。

ただし、いくら健康に役立つ成分が含まれているとはいえ、チョコレートはカロリーも高いので、食べ過ぎは禁物です。食べる目安は1日50g程度と言われますが、カロリーを制限されている方は、お気をつけください。

甘いチョコレートの苦い現実

大谷
チョコレボ実行委員会 
広報ご担当 大谷瑞希さん
誰もが大好きなチョコレートですが、その背景にはビターな現実があるのです。今回は、その現実を知るために、フェアトレードやオーガニックチョコレートの普及活動をされている「チョコレボ実行委員会」広報担当の大谷さんに、お話をうかがいました。

南:チョコレボ実行委員会は、どのようなことがきっかけで始まったのですか?

大谷:きっかけは、2001年4月世界の様々なメディアが報道したある事件です。西アフリカのギニア湾で、10歳から14歳の子ども200人以上を乗せた船が、行方不明になったのです。船に乗っていたのは、カカオ農園などで働くために、 近隣の国から不法に連れてこられた子どもたちと見られ、沿岸の国々はこの船の寄港を認めませんでした。

そして船が1週間ほど近海をさまよって、出発地だった港町に戻ってきたときには、子どもの数はわずか23人に減っていました。残りの子どもたちがどこへ行ってしまったのか、今もまだ分かっていません。海に捨てられてしまったのではないかとも推察されています。

南:豊かで平和な今の日本に住んでいると、ちょっと想像しがたいでお話ですね。

フェアトレードチョコレート
チョコレボ実行委員会おすすめのフェアトレードやオーガニックのチョコレート
<写真提供>team Choco-Revo!!
大谷:世界のカカオの7割、日本に輸入されるカカオの8割は、ガーナ、コートジボワールなどの西アフリカの国々で作られています。

カカオの価格が低くて不安定な西アフリカの多くの農園主は、低賃金で子どもたちを雇います。中には、人身売買によって近隣の国から売られてきた子どもたちもいるのです。

働いている子どもたちの中には、学校に通うことができず、毎日過酷な労働をしている子どもや、殺虫剤や除草剤の使用で病気になったり、カマなどの刃物や危険な機械を使ってケガをする子どももいます。彼らは、チョコレートを食べたことがないどころか、自分たちが作っているカカオがチョコレートになることもしりません。

この事件当時、チョコレボ実行委員会の代表である星野は、イギリスにいてこの事件を知りました。チョコレートが大好きな星野は、そんな現実を知り、チョコに携わる人とチョコを楽しむ私たちがみんなハッピーになるために、何かできないかと考えて、環境にやさしいオーガニックや、児童労働を禁じたフェアトレードのチョコレートを応援するキャンペーン「チョコレボ」を、2006年の秋からスタートしたのです。

南:日本ではあたりまえのように児童労働は行われていませんが、海外等に行くと、まだまだ厳しい暮しがあることを思い知らされます。みんなが愛するチョコレートの背景には、そんな現実があるんですね。