伝統食、粗食・素食の注意点
一口に伝統的な食事といっても、日本の歴史も長く、時代やその年の気候によっては、食べるものが満足ではない時代もありました。特にどのような食事が評価されているかというと、先に述べたような伝統食に、適度に肉類や油脂類を取り入れた「日本型食生活」。だいたい昭和40年代頃の食事のバランスですが、この頃から日本の平均寿命は飛躍的に伸びてきました。伝統食や粗食では、油脂類や肉類を食べないとイメージされる人もいますが、肉類を食べることがカラダに悪いのではなく、食べ過ぎることに問題があるということで、肉類は、良質なタンパク源でもあります。成長期にはタンパク質は必要ですし,高齢者では肉類や乳製品などのタンパク質も適度にとっている方が長寿という指摘もありますから、単純に肉類がカラダに悪いというような誤解はしないようにしてください。
また日本の昔の食事では、漬け物やみそ、干物などの保存食が多かったため、塩分が多くなりがちだったことも挙げられます。高塩分食品の摂取頻度が高いほど、胃がんになるリスクは高いという報告があります。こうした漬け物や味噌などの発酵食品は、健康についての有効性もあるので、できるだけ食べ過ぎに気をつけて、体内で塩分とのバランスをとるカリウムを含む野菜や果物などもたっぷり食べ合わせましょう。
またゴマや豆腐など健康によいからといって毎日過剰に摂取していると、肥満になることもありますから、なにごともほどほどのバランスが大切です。
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