ある日、突然始まるかもしれない介護の問題。そのひとつに「徘徊」があります。ウチはまだまだ大丈夫・・・と安心してはいられません。知らないうちに始まっていたボケが、徘徊というカタチで明らかになることもあるからです。もしもそんな事態に直面したら、どうしたらよいのでしょう?!経験者から対策をお伺いしました



痴呆を抱えるお年寄りによく見られる徘徊。知らない間に自宅を抜け出し、行方不明になってしまう事件も少なくありません。徘徊するお年寄りには、いったいどのように接すればよいのでしょう。徘徊問題に取り組む、神奈川県寒川町の「介護者の集い」代表・佐藤登美子さんにお話を伺いました。

徘徊の前兆は気づきにくい?


佐藤さんがお義母さんの徘徊に気づいたのは、18年ほど前。やがて、症状は頻繁に起こるようになり、心労が重なったといいます。同じような悩みを抱える介護家庭と作ったネットワークが「介護者の集い」。徘徊や介護問題の不安を参加者同士で話し合い、知恵や情報を共有します。

佐藤さん自身の経験をお聞きしました。

「今から思えば、なんですが、徘徊が始まる少し前から、妄想が起こっていたんです。『誰かに財布を盗まれた』『知らない人が家の中に入ってくる』といった内容です。でも、当時は、痴呆の知識も広まっておらず、あまり気にとめていませんでした」。

やがて、お義母さんは頻繁に家を抜け出すように。家事をしているときやトイレ中など、ちょっと目を離したすきに、すばやく縁側から出て行ってしまいます。何度となく後をついてゆき、連れ戻したそう。

いきなり呼び戻しちゃダメ!


「そのうちわかったのですが、いきなり呼び戻してはいけないんです。驚いて、心を閉ざしてしまいますから。様子を見て、そろそろかな、と思った頃にそっと声をかけるようにしました。『何か探しているの、手伝いましょうか』といった具合に。そして、話をしながら一緒に家に帰るんです」

徘徊をするお年よりは、ただあてどなく歩き回るわけではありません。親戚や友人の家、病院などに行こうと思い、探していることも多いのだとか。

「朝の様子で『今日はやるな』とわかることもあります。うちの場合は、妙にそわそわしていたり、口数が多かったりといったサインが見られました。普段と雰囲気が変わっていたら要注意かも」

次のページでは徘徊の対応策について紹介します