人体に占める水分の割合
今年も暑い季節がやってきます |
年齢や性別によっても多少異なりますが、健康な成人の体内に占める水分は体重の60~70%です。こうした水分は人間の細胞1つ1つに含まれる細胞内液(さいぼうないえき)、血液や細胞同士の隙間に存在する細胞外液(さいぼうないえき)に分類され、それぞれ細胞の内部あるいは外部での物質の代謝に役立っています。体内における水分が細胞の中に存在するのか、あるいは細胞外に存在するのかは加齢によっても変化します。
加齢で水分含有量が変わると……
脱水になると、最初に血管の中の水分である細胞外液が減少します。体を構成する水分のバランスで見ると、細胞外液の割合は乳幼児期が最も高く(25~35%)、青年期に最も低くなり(20%)、加齢によって再び割合が高くなってきます(23%前後)。一概に体液の割合だけではありませんが、脱水になりやすいのは乳幼児、そして年配の方であることは、こうしたことからご理解いただけると思います。なお、後でご紹介します脱水症の対処法を理解するために、次のポイントだけ抑えておいてください。
- 脱水症の多くの場合、最初に細胞外液量(血液中の水分)が減少する
- その細胞外液の組成はナトリウムが多い(血清ナトリウム濃度:140mEq/?)
- 脱水の初期症状は尿量の減少
- 口が渇かないタイプの脱水もある
次のページでは脱水症の対処法をご紹介します。