熱中症というと、炎天下の夏の出来事と考えがちですね。夏の運動時に起きやすい事は確かですが、実は湿度の高い梅雨時の室内でも、熱中症の危険があるのです。空調に加えて扇風機を利用して、梅雨時の熱中症を予防しましょう。


クジラやイルカでもかかる熱中症とは?

夏
涼しげな海洋生物でも熱中症にはかかります
熱中症は、脱水症とは異なる病態です。局所の脱水、全身の脱水に加えて体温上昇に伴いさまざまな症状があらわれます。熱中症の症状には神経症状(中枢神経症状)とその他の症状があり、重症度により変化します。

運動中では手足や腹筋などに痛みをともなった痙攣が起きます。また短時間、数秒間程度の失神が起きることがあります。例えばテニスの試合中に起きやすいの"腓返り(こむらがえり)"も軽い熱中症の症状です。次にめまい感、頭痛、吐き気・嘔吐、疲労感、虚脱感、失神などの症状が同時に起きます。さらに進むと、おかしな言動や異常行動、過呼吸、最終的には意識障害、ショック症状となります。最終段階は、いわゆる多臓器障害(多臓器不全)状態です。

脱水症は水を補給、具体的には口からの水分補給に加えて血管内に電解質を加えた水を点滴することにより、急速に回復することが可能です。一方、熱中症は、脱水を改善しただけでは改善できません。多臓器不全状態になると治療しても救命することができない事があります。また救命しても後遺症が残ることがあります。

熱中症は車のオーバーヒート(over heat)と似た状態なのです。ですから、通常は脱水状態にはならない、海のクジラやイルカでも熱中症になることあります。熱中症は通常は炎天下のスポーツ中(運動中)に起きやすいのですが、スポーツに縁がなくても、実は温泉での"湯あたり"は熱中症に似た状態です。

車もクジラもヒトも水冷式!

車のエンジンは、ある程度高温の状態で可動します。あまり高温になると本来の性能を発揮できません。そのためにエンジンを冷やす仕組みがあります。エンジンの冷やし方には、空冷式と水冷式があります。エンジンではありませんが、PCの熱暴走を防ぐ方法の一つの電動ファンは空冷式の例ですね。車のエンジンの場合は、ラジエーターで冷した水をエンジンの周囲にを循環させて冷やす水冷式です。

海岸に打ち上げられたクジラの場合は海水で血液を冷やすことができなくなって熱中症の状態となります。クジラを救うために海水を体にかけるのは皮膚の乾燥予防だけではなくて体温上昇を防ぐためです。

ヒトの場合もこれと同じ。筋肉や肝臓などで産生された熱は、一度心臓に戻って、皮膚から放出されます。車と異なるのは、ラジエーターに相当する皮膚ではなくて、本体である体の方に先に異常が出る点です。具体的には、高温環境下で例えば上にあげた腓返りや頭痛が起きてくると要注意です。

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