子供の病気/水疱瘡(みずぼうそう)

大人の水ぼうそうは要注意!(2ページ目)

幼児期特有の水ぼうそうは、12~1月にピークを迎える発疹をともなう感染症。水ぼうそうを経験していない大人にとっては油断できない病気でもあります。感染を防ぐ有効な手立てとは?

執筆者:光原 ゆき

大人になって発症することも。妊娠中は胎児への影響大

予防接種
ワクチン接種が水ぼうそう予防の第一手。大人になっても発症してない人は積極的に予防接種を
子供の病気の代表として扱われる水ぼうそうですが、未経験の成人は10%いるとも言われています。成人以後の発症は20~25歳前後が多いとされ、まれに50歳代になって発症することもあります。

大人になってからの水ぼうそうの初期症状は、だるい、ニキビができたなど、とても水ぼうそうにかかったとは思えない特徴があらわれます。病院に行って水ぼうそうと知り、あわてて隔離することもめずらしくありません。

女性が妊娠中に水ぼうそうを発症した場合、お腹の胎児にもウイルス感染します。先ほど述べたように、ウイルスが水ぼうそう発症後も体内でじっと潜伏するものだからです。ただし胎児は、お母さんのお腹から生まれ出た時点で目に見えて症状がみられるわけではありません。お母さんと同じように、胎児の体内にもウイルスが潜伏し、生後1歳ごろになって突然、帯状疱疹が出ることもあるのです。ほかにも、妊娠20週まででの水ぼうそう発症になると、ひどい場合、目の失明などの障害を持った胎児が生まれやすくなるなど、危険をともないます。


大人になってもワクチン接種で先手を打とう

日本での水ぼうそうのワクチン接種率は、3割程度が現状です。ワクチンを打って体内に抗体をつくってしまえば、免疫の持続期間は20数年と長期間にわたって働きます。とくに、乳幼児期に水ぼうそうを発症していない大人はもちろん、発症済みであっても、いつ体内に潜伏するウイルスが再活動し帯状疱疹を引き起こすかわかりません。まして、成人になって発症する水ぼうそうや麻疹(はしか)などは、一般的に小児より重度になるケースが多く、入院患者数も約1.5倍という声が聞かれることからも、たかが水ぼうそうと軽くはみられないのです。

現在、水ぼうそうの治療薬にはアシクロビルとバラシクロビルが用いられています。細かな薬の説明は省きますが、水ぼうそうを発症してから小児なら48時間以内、成人なら4日以内のうちに服用すれば有効です。発症したらすみやかに医療機関で治療を受けるようにしましょう。


【 関連リンク 】
  • 水ぼうそうの基礎知識
       ⇒水ぼうそうを知ろう(ここカラダ 水ぼうそう(水痘))
  • 水痘の知識と対処法
       ⇒教えてドクター Q&A(All About 子供の健康)
  • 妊娠中の水痘
       ⇒妊娠20週までの感染が心配?(All About 出産医療・産院選び)
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