胃がんの早期発見には、胃カメラ検査が有効

書類に目を通す医師

すべてのがんについていえることですが、胃がんでは特に早期発見が大切です

「がん」といえば、治らない病気というイメージがかつてはありましたが、現在は、決してそうではありません。特に、胃がんについては、その傾向が著明です。施設や研究によって多少のばらつきはありますが、もっとも早いI期の胃がんでは、5年生存率が95%を超えている報告がほとんどです。肺がんが、同じI期でも、5年生存率が80%前後であることと比較しても、その早期発見の有効性が感じられるのではないでしょうか。

胃がんの早期発見のために有効で、欠かせないのが胃カメラ検査。しかし、検査が苦しいというイメージが強いようで、「胃カメラは、ちょっと……」という方も少なくないでしょう。胃がん早期発見の必須条件や胃カメラの上手な受け方のコツを解説します。

胃カメラとバリウム検査の違い

そもそも、胃カメラでは、どんなことがわかるのでしょうか? 「検査の基本!胃カメラか、バリウムか……」で詳しくまとめましたが、胃がんを見つける方法として、バリウム検査が挙げられます。しかし、バリウム検査は、どちらかというと胃の形全体や胃の動きを見るのに適した検査で、胃の粘膜の微小な変化を直接観察できる、という点ではやはり胃カメラに及びません。

早期胃がんとして発見されるものは、胃粘膜の細かい変化を詳細に観察し、怪しいと感じる部分の細胞を採取し、顕微鏡で検査して診断を得るケースがほとんどなのです。

最近では、判断に迷うような場合には、色素を散布してその際の粘膜面の変化を観察し早期発見が可能なように技術が進歩しています。また、胃がんとしての診断を得るには、顕微鏡による病理組織検査が必要ですが、胃カメラはそのためにも欠かせない検査です。

すなわち、胃カメラの目的は「細かい胃粘膜の変化が見られること」、「細胞を一部採取することによって確定診断が得られること」の2点です。

胃カメラを上手に受けるコツ

「以前、一度、胃カメラを受けたが、とてもつらかった」ということが理由で、それ以後の検査を避けられている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

また、そのような体験談を耳にしたり、太いカメラを飲み込むというイメージが強いといった理由から、「きっと苦しいに違いない」と考えている方もいらっしゃるでしょう。

実は、胃カメラにはコツがあるのです。そのコツとは、力を抜くこと。これに尽きます。「それだけ!?」と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、胃カメラの操作自体は医師がするのですから、検査を受ける方にはそれほどのコツは必要ありません。

具体的には「目はぼんやりと前を見て、ぽかーんと口を開けて、肩の力を抜く」。これが、胃カメラを上手に受けるコツです。

胃カメラ検査では相性の良い医師を探すことも大切

もちろん、力を抜こうと思っても抜けない場合も少なくありません。しかし、その原因は、「きっと、苦しいに違いない」とか、「この先生は、上手なんだろうか?」とか色々と考えてしまっていることが影響していることが多いのです。

胃カメラにも、もちろん、技術が必要ですが、どの医師もそれぞれ技術も磨き経験を積んでいますから、それほど大きなばらつきはありません。

大切なのは、医師との相性です。患者さん自身が慣れた医師が検査してくれる場合には、自然と肩の力が抜けるものです。一般に「胃カメラが上手な先生」というのは、技術もさることながら、患者さんとうまくコミュニケーションをとって緊張させず、脱力させることができる医師であるように思います。

最近は、開業医の先生も積極的に胃カメラの検査をされている先生も多く、そういった情報は、それぞれのクリニックのホームページでも公開されています。また、検査の時にお薬をつかって少しぼーっとした状態にしてから検査をするなど工夫をしている場合にも、それらの情報が公開されています。このような情報を参考にしながら、まずは医師の診察を受けて、自分にとって相性の良い医師を捜すことも、胃カメラを上手にうけるコツの一つでしょう。胃カメラを無用に恐れることなく、その必要性を十分に理解し、自分と波長の合う医師による検査を脱力して受けることが大切だと思います。


胃カメラやバリウムなど、胃の検査に関してさらに詳しく知りたい方は、「現役医師がホンネで勧める胃の検査」をあわせてご覧下さい。
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