/インフルエンザ治療薬…タミフル・リレンザ・イナビル

臨床医が考えるインフルエンザの治療法(2ページ目)

インフルエンザの治療というと、タミフルとリレンザが頭に浮かびますが、一般的な風邪とは異なり抗菌薬も投与されることがあります。臨床の現場で行うインフルエンザ感染症の治療法についてご説明します。

執筆者:吉國 友和

それぞれの抗インフルエンザ薬には特徴があります。いずれかの薬剤の投与を推奨するものではありませんが、長所と短所を簡単にまとめてみます。なお、文中の「予防投与」に関しては予防にかかるインフルエンザ薬の費用の2ページ目を参考にしてください。


タミフル®の長所と短所

タミフル®
タミフルは1日2回、5日間の服用が目安です
タミフルは一般名をリン酸オセルタミビルと言います。国内での使用頻度が高く優れた実績を有する反面、副作用についての懸念があることから、原則として若年者(10代)では使用しないことになっています。


タミフル®の長所
  • 内服薬であるため、投与が簡単
  • 海外では鳥インフルエンザに有効性を示すデータがある(新型インフルエンザに対しても効果が期待される)
  • 一定の条件を満たした場合、予防投与が認められている(保険適応ではありません)

タミフル®の短所
  • 服用後の異常行動との因果関係が不明
  • 服用後に腹痛や下痢・嘔吐の生じる頻度が比較的高い(腹痛……27.5% 下痢……5.5%、嘔気……3.9%):薬剤添付文書より
  • すでに耐性化ウイルスが確認されている

リレンザ®の長所と短所

リレンザ
リレンザ®は気道に作用することから、全身への影響は少ないと考えられます
リレンザ®(一般名:ザナミビル水和物)は吸入薬であり全身への移行が少ないことから、比較的安全性に優れた薬剤であると言えます。一方、気管支攣縮などの副作用の懸念から気管支喘息では使用できないこともあり、またこれまでの使用実績がタミフル®と比べて少ないため、新たに副作用の問題が起きる可能性も否定できません。

リレンザ®の長所
  • 吸入後、効果の発現が比較的速やか
  • 吸入薬であり、全身へ吸収されにくいので安全性は比較的高いと考えられる
  • 昨シーズンまで国内での耐性化ウイルスの出現は報告されていない

リレンザ®の短所
  • 薬剤を吸い込む力がないと、効果が不十分
  • 気管支喘息があると使用できないことも(稀ながら気管支攣縮・呼吸困難の出現)
  • タミフル®では慢性呼吸器疾患への予防投与が認められているが、リレンザ®では認められていない
  • タミフル®と比較すると投与された人数が少ないため、今後新たに副作用が報告される可能性もある
  • 使用後に異常行動を起こした事例が、少ないながらも確認されている

いずれの薬剤についても48時間以内に使用した場合の有効性は優れています。しかし、最も問題であるのは副作用の面についてです。タミフル®服用後の異常行動は社会問題となりましたのでご存知の方も多いと思いますが、リレンザ®吸入後に異常行動を起こした事例も存在します。使用する頻度が高くなれば、それだけ副作用が確認されるようになるかもしれません。


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